持続可能な原材料調達
国際セミナー
熱帯林とプランテーション:持続可能な森林利用に向けて
環境と人権に配慮したパーム油・紙の調達とは
熱帯プランテーションは、東南アジアの森林減少の主な要因として生物多様性や気候変動に大きな影響を与えるとともに、地域住民との土地紛争や労働問題など、社会面での課題も多く指摘されています。東南アジアに残された貴重な熱帯林と、森林に依存する人々の暮らしを守り、持続可能な森林利用を行うためには、プランテーション開発の問題を避けて通ることはできません。
熱帯林の減少とパーム油生産に関わる環境・社会問題を解決し、「持続可能なパーム油」を生産することを目指したRSPO認証への取り組みは、日本ではまだ限定的です。今年は日本企業も調達している大手のIOIグループでRSPOの行動原則への違反により認証が一時停止されるなど、認証に依存した調達の課題も浮き彫りになりました。
一方国連の持続可能な開発ゴール(SDGs)において、森林をはじめとする「陸上生態系の保護、回復、持続可能な利用、生物多様性保全(目標15)」や「持続可能な生産と消費(目標12)」が上げられているとおり、持続可能な森林利用と生産・消費は世界共通の課題であり、熱帯林減少に関わるパーム油や紙のサプライチェーン上の問題について、日本企業も無関心でいることはできません。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、熱帯林の保全と持続可能な森林利用に貢献するために、企業は何に配慮すればよいのか、現地で活動する2団体を招いて共に考えます。ぜひご参加ください。
【開催概要】
日時:9月29日(木)13:30〜16:30
会場:東京ウィメンズプラザ ホール(東京都渋谷区)
(アクセス/最寄駅:東京メトロ表参道駅徒歩7分、JR、東急ほか渋谷駅徒歩12分)
定員:150名(お申込み順)
資料代:500円
【プログラム】
1)熱帯林の減少とプランテーション開発
飯沼佐代子(地球・人間環境フォーラム)
2)プランテーション開発による森林減少を食い止めるには−SDGs15への対応
プリシラ・モリン(エイド・エンバイロメント)
3)プランテーションの持続可能性とは−社会面(労働と人権)から考える
ダリル・デルガド(ベリテ東南アジア)
−休憩−
4)紙の調達と持続可能な森林利用
中司喬之(熱帯林行動ネットワーク)
5)パーム油の調達と持続可能な森林利用
川上豊幸(レインフォレスト・アクションネットワーク)
【申込】
申込フォームからお申込みください(推奨)。
または、event@gef.or.jpまでメールにてお申し込みください。
【主催】地球・人間環境フォーラム、
【協力】プランテーション・ウォッチ(熱帯林行動ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、サラワクキャンペーン委員会、メコン・ウォッチ、レインフォレスト・アクションネットワーク)、開発教育協会(DEAR)、ヒューマンライツ・ナウ
【お問合せ先】
地球・人間環境フォーラム(担当:飯沼)
E-mail:event@gef.or.jp
TEL:03-5825-9735
<このセミナーは、緑と水の森林ファンドより助成を受けて開催します>
パンフレット「危ない油―パーム油のリスク、知っていますか?」(2015年5月)
パンフレット表紙(A5版 8ページ) |
パーム油はさまざまな加工食品や洗剤などに使用されています。インドネシアやマレーシアで多くのパーム油が 生産されていますが、現地では環境と社会の両面でさまざまな悪影響が起きています。
地球・人間環境フォーラムを含む環境6団体のネットワークであるプランテーション・ウォッチでは、このたび企業向けにパーム油の調達のリスクを説明したパンフレットを作成しました。
【内容】
・パーム油の調達リスク:環境的悪影響
・パーム油の調達リスク:社会的悪影響
・企業の皆様へ「危ない油」への対処方法
・RSPOとPOIGとは?
パンフレットをご希望の方は、熱帯林行動ネットワークのWEBサイトよりご注文ください。
WEBサイト「プランテーション・ウォッチ」の開設(2014年8月)
WEBサイト:プランテーション・ウォッチ |
熱帯林の保全を巡る問題に取り組む環境6団体、国際環境NGO FoE Japan、サラワクキャンペーン委員会、地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、メコン・ウォッチ、 レインフォレスト・アクション・ネットワーク日本代表部(RAN)では、日本に輸入される パーム油や紙の生産地における環境・社会問題についての情報サイト、プランテーション・ウォッチを開始しました。
熱帯林の減少要因としては、これまで違法伐採や大規模な商業伐採が挙げられてきましたが、近年ではプランテーションのための土地利用転換が、最大の要因となってきています。 急速なプランテーションの拡大は、森林生態系や地域住民の生活に多大な影響を与え、特にアジアの熱帯諸国においては、ガバナンスの脆弱性や、土地に対する権利が不明確なために、無秩序な開発が行われる事例が見受けられます。 これらのプランテーションは、パーム油、紙、バイオ燃料などグローバルに需要が拡大している商品の原料を生産しており、日本の私たちの消費生活とも無関係ではありません。
本WEBサイトは、東南アジア諸国を対象に、プランテーション拡大による環境・社会影響と、日本等の企業の関わり、パーム油の認証制度や、森林認証など、プランテーションに関連する取り組みについて実施した調査報告や最新の情報をお伝えし、消費側として森林破壊を食い止める取組みの推進を目指しています。
現地調査の報告も随時ご紹介していきます。
ぜひご覧下さい!
▼WEBサイトはこちら
今までの活動について
マレーシアのオイルパームプランテーション |
日本は、世界有数の資源消費国であり、多くの資源をさまざまな形で発展途上国から輸入しています。本来、原材料の調達にあたっては、日本国内だけでなく国外生産地における環境・社会配慮も欠かせないはずですが、複雑なサプライチェーンや情報の不足から、国外生産地におけるこうした問題は必ずしも消費国で認識されていないのが実情です。私たち消費者がより安いものを求め、企業がそれを提供することに注力すればするほど、原材料生産にあたって必要な環境社会配慮の費用が支払われず、そのツケを払うのは、環境問題や社会問題で被害を受ける現地の人びとということになりかねません。
企業の社会的責任が問われる今こそ、集積された過去の事例に学び、国として、企業として、原材料調達の問題に戦略的に取り組むことが重要です。
こうした問題認識に基づき、地球・人間環境フォーラムは「発展途上地域における原材料調達のグリーン化支援」に関する政策提言を行いましたが、これは2004年度の「NGO/NPO・企業環境政策提言フォーラム(環境省主催)」において優秀提言にも選ばれました。
2009年からは持続可能なバイオマス利用に向けての調査研究・意識啓発事業を行い、持続可能なバイオマス資源に関する委員会を設置し、議論を進め、政策提言を行いたいと考えています。
当フォーラムでは、今後も、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)、国の資源戦略、貿易と環境をめぐる議論の中で、関係者に対し提言活動を行っていきます。
過去のセミナー・シンポジウム資料
●2011年2月24日 | 第3回持続可能なパーム油のためのシンポジウム「生物多様性と企業の役割〜認証パーム油の動向」 |
●2009年6月3日 | 緊急報告:危機に立つ生物多様性 「天国に一番近い島」で今何が? ニューカレドニア・ニッケル開発事業を事例に |
●2009年3月5日 | シンポジウム「バイオ燃料と土地利用〜持続可能性の視点から〜」 |
●2009年2月17日 | 第2回持続可能なパーム油のためのシンポジウム「生物多様性と企業の役割〜パーム油の現場から〜」 |
●2008年10月9日 | シンポジウム「わたしたちの手で創る水産資源の未来 〜MSC漁業認証の役割」配布資料 |
●2008年9月3日
|
セミナー「信頼できる紙の選択〜森林認証の役割と意義」配布資料 |
●2008年5月21日 | G8環境大臣会合に向けた国際市民フォーラム 「バイオ燃料・森林減少防止は気候変動対策となるか?」 |
●2008年3月12日 | セミナー「資源開発とCSR〜環境社会影響とその対策」開催報告 |
●2008年1月31日 | ミニセミナー「生物多様性と企業」 |
●2007年10月10日 | 第1回持続可能なパーム油のための企業フォーラムと公開シンポジウム 「パーム油とCSR」開催報告 |
●2007年10月5日 | セミナー「資源開発と先住民族、そしてCSR」開催報告 |
●2006年5〜12月 | 「持続可能な原材料調達 連続セミナー」(全5回) |
その他の資料
●バイオ燃料の持続可能性に関する調査報告書(2009年6月)●バイオ燃料の持続可能性に関する共同提言 (改定版)を公表(2009年3月5日)
●グリーン購入法「基本方針」見直しにコメント提出 「古紙利用率を下げることは不適切。植林にも環境影響評価を」
●インドネシア 泥炭地破壊で世界第3 位のCO2 排出国に 〜木材・パームオイル需要と地域経済開発が元凶〜(PDFファイル)
●「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」の報告書