持続可能な原材料調達
グリーン購入法「基本方針」見直しにコメント提出
古紙利用率を下げることは不適切。植林にも環境影響評価を
地球・人間環境フォーラムはグリーン購入法の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の見直しに関連し、環境省にコメントを提出しました。私たちは一連の古紙偽装問題が「古紙の利用率を下げるべき」という安易な議論につながることを懸念しており、遅くなりましたがここに改めてご報告する次第です。
コメントのポイントは下記の通りです。
1. 古紙パルプとバージンパルプ紙の環境パーフォーマンスについては二酸化炭素(CO2)負荷のみでみても異なる評価が行われている。木材資源が世界的に枯渇している状況に鑑み、古紙パルプという国内資源の利用を今後とも推進していくことが必要であり、古紙配合率の安易な引き下げは望ましくない。よって、古紙配合率について30%を上限としてバージンパルプに置き換えてもよいとすることは、資源の有効利用の観点からも、森林資源へのプレッシャーが高まる点からも、適切とは考えられない。
2. インドネシアなどにおいては、プランテーションなどの土地利用用途変更が、森林伐採の言い訳として使われており、違法伐採を伴うものも多い。また、インドネシア、マレーシア、ブラジルなどの国々においては大規模な森林から農地への転換が森林減少を加速させている。こうした中、「適切な土地利用用途変更」というあいまいな表現を使用すべきでない。
3.植林による代替を許容する条項は、破壊的な植林事業を「環境に配慮している」と定義づける危険性もある。植林は土地の確保をめぐり大きな紛争を引き起こしているケースも多く、植林事業が多くの環境社会問題の原因となっている場合もある。
4. 植林事業を「環境に配慮している」と呼ぶためには、慎重な環境社会影響評価の実施、周辺住民との協議、先住民族の権利の尊重、土壌保全、農薬・肥料管理などの視点が必要であり、これらの点が第三者機関により認証されている必要がある。また、これらすべてを満たしているとしても、単一樹種による大面積の植林事業は環境・社会的に大きなインパクトをもたらすものであることは認識しなければならない。
コメント本文につきましては下記PDFをご参照下さい。
「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」に定める特定調達品目及びその判断の基準等の見直し(案)について意見の提出 」(PDFファイル)