持続可能な原材料調達
「パーム(椰子)油とCSR」開催報告
「インドネシアにおけるパーム農園開発の現状」(1)
ノーマン・ジワン(Norman Jiwan)/サウィット・ウォッチ
インドネシアにおけるアブラヤシ農園開発についてお話します。
●インドネシアとアブラヤシ
サウィット・ウォッチは個人会員を主体としたインドネシアの団体です。現在15人がスタッフとしてアブラヤシプランテーション開発の問題に取り組んでいます。1998年に事務局ができ、50のローカルパートナーのネットワークを確立しました。インドネシアの75の関連コミュニティの約4万世帯と協働しています。
インドネシアの面積は島を含め、1億9219万7,000haです。島は大きなものが3つ、小さなものは1万7,000に及びます。人口は2億2,200万人、これは2004年において、世界第4位の人口です。もしかすると、今は2億3,000万人程度になっているかもしれません。3,000〜6,000万人の人々が、森林に依存して生活しています。そのうちおよそ3,000万人が先住民族−インドネシアの独立以前から住んでいる人々−です。そして現存する熱帯林の10%はインドネシアにあります。この森は非常に生物多様性が豊かで、植物全種のうち10%、哺乳類全種のうち12%、爬虫類全種のうち16%、鳥類全種のうち17%が存在しています。
次に、インドネシアのアブラヤシとアブラヤシ産業についてですが、アブラヤシは自生植物ではありません。オランダ植民地時代に西アフリカから1848年に輸入されました。それから、ボゴールの植物園で4本の苗木が育てられました。最初の大規模商業農園が1911年にでき、現在は23州にある30のグループが、600のアブラヤシ農園の子会社を管理しています。その面積は720haにのぼります。急激に増加しており、現在は1,100万haにのぼるかもしれません。それから1999年から2004年の5年間で、1年あたりの植え付け量が40万100haに到達しました。
アブラヤシプランテーションは、 23の異なる州に広がり、720万haです。 次の20年で世界の食用油の需要が2倍になるといわれています。アブラヤシ農園はさらに、次の5〜10年にかけて、500から1,000万ha拡大します。西ヨーロッパとアメリカの市場は安定しますが、逆に中国、インドはかなり伸びることが見込まれます。
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●関連情報
- シンポジウム「生物多様性と企業の役割〜パーム油の現場から〜」(2009年2月)開催案内
- 「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」の報告書はこちら
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- 公開研究会「輸送用バイオ燃料利用の持続可能性と社会的責任―ブラジル報告を中心に」