持続可能な原材料調達
「パーム(椰子)油とCSR」開催報告
「インドネシアにおけるパーム農園開発の現状」(2)
ノーマン・ジワン(Norman Jiwan)/サウィット・ウォッチ
●アブラヤシ農園開発による影響
われわれは、3つの州でアブラヤシ農園開発の土地利用という点で、調査を行いました。その結果、アブラヤシ農園による主たる影響として、まず、大規模な森林減少が挙げられます。インドネシア全土で1,800万haのアブラヤシプランテーションが計画されています。それから生物多様性が失われます。これは非常に重要なポイントです。次に先住民族と農園の間で土地に関する紛争が起きています。それから労働者条件が悪い。そして、大量の農薬(殺虫剤、除草剤も含む)使用によって、とくに女性に影響が出ています。それから小自作農家の貧困。アブラヤシ農園は、地元コミュニティではなく、大きな企業によって支配されています。現在、われわれのデータベース、モニタリングによると、2007年の時点において、少なくとも500の紛争が353のコミュニティに影響を与えています。
この図は、2007年の5月から7月のアブラヤシ農園におけるホットスポットを示しています。(パワーポイントpg13参照) ホットスポットにもアブラヤシ農園はつくられています。インドネシアだけではありません。マレーシア、サラワクにもあります。このホットスポットモニタリングは毎日行っています。(パワーポイントpg14参照) それからもうひとつ、非常に懸念されているのが、アブラヤシ農園が泥炭地と重なる部分で、ここからは大量の炭素が排出されています。(パワーポイントpg15,16参照)
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●関連情報
- シンポジウム「生物多様性と企業の役割〜パーム油の現場から〜」(2009年2月)開催案内
- 「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」の報告書はこちら
- 「持続可能な原材料調達 連続セミナー」はこちら
- 公開研究会「輸送用バイオ燃料利用の持続可能性と社会的責任―ブラジル報告を中心に」