持続可能な原材料調達
「パーム(椰子)油とCSR」開催報告
「持続可能なパーム油とは〜CSRの視点から」(1)
足立直樹氏/株式会社レスポンスアビリティ代表取締役
本日このシンポジウムの中で私から最初にこの問題の全体像をお話させて頂きます。その後マレーシア、あるいはインドネシアからいらっしゃったゲストの方々に、現場からのご報告を頂きたいと思っています。
●CSRとは何か?
私は「持続可能なパーム油とは何か」に関して、とくにCSRの観点からお話します。
私はマレーシアで熱帯雨林の研究をしている縁でご紹介頂きましたが、その後日本に戻ってからは、CSRや環境経営といった観点から企業の皆様のお手伝いをさせて頂いております。
まず皆さんに申し上げたいのは、これから先パーム油にフォーカスし、専門的な事を含めてご報告があるかと思いますが、これは決してパーム油だけに関わる事ではないということです。あらゆる原材料、産業が同じ様な問題を抱えており、パーム油はほんの一例に過ぎないということです。
もう一つは、皆さんすっかりお馴染みの言葉になりましたCSRです。「CSRとは何なのだろう」ということなのですが、日本ではよく、CSRは 「企業の社会的責任」と訳されます。そのことからどちらかと言えば義務的なこととしてとらえられ、あるいは、コンプライアンスや法令を守ることと絡めてCSRが語られることが非常に多い様に思います。しかし、実際のCSRはもう少し幅があると思います。すなわちそれは何をしなければいけない、という義務的なものではなく、自発的な形で企業が問題解決にあたり、どういうふうに貢献出来るか、もっといえば「より良い社会を作って行く為に、どういう貢献出来るのか」が求められているのではないでしょうか。そういうことを考えていく上で、パーム油は非常に良い題材であると思います。
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●関連情報
- シンポジウム「生物多様性と企業の役割〜パーム油の現場から〜」(2009年2月)開催案内
- 「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」の報告書はこちら
- 「持続可能な原材料調達 連続セミナー」はこちら
- 公開研究会「輸送用バイオ燃料利用の持続可能性と社会的責任―ブラジル報告を中心に」