持続可能な原材料調達
「パーム(椰子)油とCSR」開催報告
「ボルネオの森と日本〜企業には何が求められるのか」(2)
坪内 俊憲/ボルネオ保全トラスト事業責任者
●ボルネオ象の涙
このような
写真がたくさんとられ、報道されるようになりました。これは、首の切られたスマトラサイ、ボルネオサイと最近は呼ぶようになっていますが、首の切られたものが見つかりました。また、妊娠していた母親が殺され、出てきた子供の写真です。観光客の前の川を浮かんで流れていく、殺されて首のない、頭のない、ゾウの写真が一般に報道されるようになりました。それから、これはボルネオ保全トラスト(BCT)ができるきっかけになった映像ですが、このように、地域の労働者がしかける罠によってそれが鼻にひっかかり、あるいは足にひっかかってずっと苦しんで死んでいくゾウの映像が日本で流れました。結果、開発そのものが、これら貴重な動物を絶滅のふちに追いやっているのだと、思われるようになってしまいました。
キナバタンガン地域には10の保護区と8つの森林保護区ができています。それは、みなプランテーションによって隔離されています。そこに1,125頭のオランウータンが高密度で生息していることが明らかになりました。イギリスのカーディフ大学の協力によってこれらのオランウータンの遺伝子の研究が行われたのですが、50年後に生き残っている可能性はほとんどないということです。しかし同時に、これらの生態系をつなぐことができれば、1,125頭という高密度で生息しているオランウータンが生き残れる確立は90%以上になる、ひとつの希望的なデータも出てきました。
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●関連情報
- シンポジウム「生物多様性と企業の役割〜パーム油の現場から〜」(2009年2月)開催案内
- 「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」の報告書はこちら
- 「持続可能な原材料調達 連続セミナー」はこちら
- 公開研究会「輸送用バイオ燃料利用の持続可能性と社会的責任―ブラジル報告を中心に」