開発プロジェクトと金融機関
連続セミナー「持続可能な社会のためのODAと公的融資」第1回
−海外開発プロジェクト融資の「環境、社会、ガバナンス」強化に向けて−
開催報告
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JBIC ガイドライン改訂に向けたNGO 共同提言
(清水規子/国際環境NGO FoE Japan) |
FoE Japanの清水規子さんは、「JBICガイドライン改訂に向けたNGO共同提言」について報告を行いました。
同提言は、現在のJBICのガイドライン策定にも関わり、ガイドラインの運用をモニタリングしてきたNGOがその経験をガイドラインの改訂に生かすために、2007年11月26日、共同でJBICに提出したものです。
JBICが行う環境社会配慮について定めた第一部の提言としては、環境レビュー中(融資決定以前)、融資決定後、モニタリング段階の情報提供の質、範囲、情報へのアクセスの問題を改善することや、現在JICAに常設されている第三者機関、環境社会配慮審査会を新JBICにも設置することなどが提案されました。
また、プロジェクト実施主体者が行う環境社会配慮について述べた第二部に関しては、地域住民等との協議が適切に実施されたか確認すること、非自発的住民移転における補償や苦情処理メカニズムの明確な規定および情報公開、先住民族に影響を及ぼす全てのプロジェクトの承認に先立ち、"自由で事前の十分な情報を得た上での合意(Free, Prior and Informed Consent)"を得ること、先住民族の権利の保障に関する国際宣言・条約等の規定を盛り込むこと、影響を受ける全てのステークホルダーとの社会的合意の形成とその協議記録の情報公開、モニタリング報告書の公開などが提案されました。
また、新機関が新たに取り組むべき課題としては、原子力関連プロジェクトについて、一般的に影響を及ぼしやすいセクター留まらず十分な環境チェックリストを作成することや、原子力の専門家やNGOを含む第三者機関を設置し、その助言を審査結果に反映させること、融資決定に先立って採掘産業におけるガバナンスリスクを考慮するなど歳入の透明性について新しいガイドラインで規定することなどが提案されました。
[配布資料のダウンロード]
[JBICガイドライン改訂に向けNGO共同提言(FoE Japanのウェブサイト)]
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