●4-1-1 LA21の要件(3つの要素)
●4-1-2 LA21の要件(7つの原則)
●4-2 LA21の策定・実施主体
●4-3 LA21に盛り込むべき内容
●4-4 LA21の策定体制と手順
ICLEIはそのモデルコミュニティー・プログラム(Model Communities Programme)の過程で、次のような7つの「持続可能なための原則」を提案しています。
a) パートナーシップ Partnerships
すべてのステークホルダーが、合意形成、計画づくり、実施においてパートナーシップを確立し、グループを形成することはさまざまな利点があります。@女性、青年、低所得者、企業団体、学校、研究機関等を含む幅広いステークホルダーがパートナーシップ・グループを組むこと、Aパートナーシップ・グループのためのしっかりとした予算・スタッフを提供すること、Bこのグループの仕事内容に関する明確な委任事項をつくること、Cパートナーシップの明確な構造、意思決定や紛争解決のための手続きを定めること・・・が必要となります。
b) 参加と透明性 Participation and Transparency
ローカルアジェンダ21プロセスは、すべてのセクターにとって透明で、アクセス可能なものでなければなりません。このためには、双方向性、半双方向性、非双方向性のすべてのコミュニケーション手段を用いて、情報を行き渡らせ、コミュニティーの教育を意識的に行っていく必要があります。@ローカルアジェンダ21プロセスの手始めとしてのpublic
education programs、A自治体職員、カウンセラーのトレーニングプログラム、Bコミュニティーの中のさまざまなセクターからの参加を得るための異なる手段の考案・・・が必要となります。
c) 組織的なアプローチ Systemic Approach
組織的なアプローチをローカルアジェンダ21に取り入れていくためには、@ローカルアジェンダ21プロセスを法令プロセスに関係づけていくこと、Aローカルアジェンダ21の初期段階で、部局間の連携を図っていくこと、B環境評価プロセスに多様な社会の部門からの知識を取り込んでいくこと・・・が必要となります。
d) 将来への関心 Concern for the Future
将来への関心をローカルアジェンダ21の短期的・長期的な目標に活かしていくためには、@コミュニティー全体で、将来のビジョンを構築していく作業を開始する、Aコミュニティーでの環境の傾向を評価する・・・ことが必要となってきます。
e) 説明可能性 Accountability
関係するすべてのステークホルダー・パートナーにとって、彼らの行動が責任あるもの、説明可能なものでなければなりません。ローカルアジェンダ21の策定プロセスが、政府レベルの変化と同時に始められたときに、Accountabilityは最も認識されやすいものとなります。ローカルレベルでは、地方議会のリーダーシップと参加がローカルアジェンダ21の推進にとって重要な要素となりますが、ローカルアジェンダ21プロセスがあまりに議会にコントロールされれば、住民にとってアジェンダの設定や自分達の意見の反映が困難になってしまいます。@ローカルアジェンダ21に政治的な意見を得る、Aコミュニティー側からの参加、意思決定を容易にする、Bローカルアジェンダ21のプロセスと公式な計画プロセスを関連づける・・・が必要とされます。
f) 公平・正義 Equity and Justice
ローカルアジェンダ21のプロセスに公平・正義を確保するためには、すべてのセクター(女性、青年、低所得者)を参加させるためにとりわけ努力しなければなりません。
g) 生態学的限界 Ecological Limits
すべてのコミュニティーは自然資源のキャパシティーの制約のもとに暮らしていかなければなりません。最終的にこの制約を計画に反映するためには、この問題に注意を喚起するために、参加者同士の議論、持続可能な発展に関する学習等をおこなっていかなくてはなりません。@一般の人々、自治体の職員、カウンセラーが「環境の制約」について認識するための環境学習の実施、A地域のエコシステムの知識を地域の持続可能性に関する研究に盛り込む、B自治体の活動における長期間の環境パンフォーマンスを確保するような制度的なメカニズムをとる・・・・などの手段が必要です。
これらの7つの原則は1999年1〜2月ホノルルで行われたMayors' Asia-Pacific Environmental
Summit 1999において宣言に取り入れられ、世界のローカルアジェンダ21に取り組む関係者の共通認識となりつつあります。しかしこれらすべての原則を即座に実現しようとするのは、多くの地方公共団体にとっては不可能に近いことかもしれません。一歩一歩この原則を実現していくことと同時に、これらの国際的に合意された原則を、自らの地域の実情に即した行動に置き直していく作業が必要になってきます。
→Asia-Pacific Mayors' Action Plan for Sustainable
Development and Local Agenda 21 の要約
|