世界の森林と持続可能な森林管理
環境省委託事業
CSR担当者のための海外森林保全研修ツアー
マングローブの花
(写真提供:特定非営利活動法人パルシック) |
国内では、企業のCSR活動の一環として森林整備や植林活動が広く実施されています。一方で、我が国の企業が多く進出している東南アジア諸国では、森林減少・劣化の問題が深刻化しているところが少なくありません。
環境省では、我が国企業のCSR(企業の社会的責任)による海外での森林保全活動への支援を促進することで、特に東南アジアにおける生物多様性保全と持続可能な森林経営の取組に貢献することを目指しています。
今年度は企業のCSR担当者を対象に、マレーシアで住民によるマングローブ植林の現場を体験し、現地担当省庁と意見交換を行う研修ツアーを実施します。
CSR担当者のための海外森林保全研修ツアー(チラシ)(PDF:1.8MB)
【目的】マレーシアでの住民参加型マングローブ植林の体験・視察及び、現地政府担当者との意見交換を通じ、海外進出先でのCSRとしての森林保全活動の意義と課題を検討することを目的とします。
【研修概要】
インフラも整備され、政治的に安定したマレーシアでは急速に工業化が進み、我が国企業も多く進出しています。生物多様性が極めて高い熱帯林を有する国でもありますが、半島部では熱帯林の開発が進み、沿岸の生態系を支えるマングローブ林も急減しています。
本研修では、日本のNGOパルシックが支援しているペナン州でのマングローブ再生活動の現場を訪問し、実際にマングローブの植林作業、苗畑見学を行うとともに、保全活動に携わる住民団体と意見交換・交流を行います。その後クアラルンプールで、半島の環境や森林に関する行政を所掌するマレーシア天然資源環境省とマレーシア半島森林局を訪問し、企業のCSRによる森林保全活動の意義や課題について意見交換を行います。
漁村の風景
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【研修地】マレーシア・ペナン州、ペラック州、クアラルンプール
【研修日程】2014年12月5日(金)〜12月10日(水)早朝成田着
【対象】企業のCSR担当者(海外に進出実績または希望のある中小企業優先)
【参加条件】全日程に参加可能で、かつ2015年1月中旬に都内で開催予定の報告会に参加可能であること(交通費別途支給)
【募集人数】10名(1社1名まで)
【費用】現地移動費、宿泊費等現地でプログラム実施にかかる費用は環境省で負担。往復航空運賃及び現地飲食費、海外旅行保険(必須)、その他個人的費用は自己負担(おおよそ10万〜15万円程度)
【同行者】環境省担当者1名、実施団体担当者2名(全行程日本語通訳あり)
【応募】参加条件、研修内容等をご確認の上、●申込書類(申込書、経歴書、応募調査票、パスポート(顔写真のあるページ)のコピー)に必要事項を記入して下記申込先(地球・人間環境フォーラム)までメール添付にてお送りください。
メール送信後、2〜3日以内に連絡がない場合は、お問い合わせください。
※個人情報は本事業以外には使用しません。
ツアー後に参加者による報告会を実施する他、現地で得られた知見を環境省がまとめる「企業による海外での森林保全支援促進のためのガイドライン」作りに活かすとともに、環境省ホームページ「フォレストパートナーシップ・プラットフォーム」に掲載します。企業名等の掲載は任意とします。
【応募締切】2014年11月18日(火)
※航空券手配の都合上、参加をご検討される方はできるだけお早めにお問合せください。
マングローブの苗畑
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【審査】申込多数の場合、申込書類を元に本事業の主旨に照らし審査の上、決定します。
【決定】11月20日(木)までに応募者にご連絡いたします。
【事前説明会】11月28日(金)19時〜20時30分<都内、未定>
※参加者の方はできるだけご参加ください。
【お問合せ・申込先】
一般財団法人地球・人間環境フォーラム
住所:〒111-0051東京都台東区蔵前3-17-3蔵前インテリジェントビル8階
担当:飯沼
TEL:03-5825-9735 e-mail:gef@gef.or.jp
【現地研修プログラム概要】
日程 |
プログラム内容 |
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1 |
12月5日(金) | 午前 午後 |
成田発 クアラルンプール経由ペナン着 宿泊:ペナン島内のホテル(Vistana Hotel予定) |
2 |
12月6日(土) | 午前 午後 |
ペナン浅海漁民協会(PIFWA)訪問、活動紹介 マングローブ植林体験 宿泊:ホームステイ |
3 | 12月7日(日) | 午前 午後 |
小規模漁業視察、魚市場視察 企業によるマングローブ植林地(Juru村)の視察等 宿泊:野鳥保護区内コテージ |
4 | 12月8日(月) | 午前 午後 夕方 |
クアラグア 野鳥保護区とマタン・ マングローブ保護区視察 CSR植林実施企業(インテル・マレーシア社)訪問 飛行機移動:ペナン発−クアラルンプール着 宿泊:クアラルンプール市内のホテル |
5 | 12月9日(火) | 午前 午後 |
天然資源環境省・森林局訪問、意見交換会実施 マレーシア森林研究所熱帯林保護区視察 クアラルンプール発(機中泊) |
6 | 12月10日(水) | 午前 | 成田着、解散 |
*12月6日〜8日は研修・視察終了後、視察グループ内での振返りの時間を設け、現地政府との意見交換の準備を行います。 *プログラム、訪問先は現地政情及び受入団体の事情等により変更する場合があります。 |
【訪問先・団体等(予定)】
ペナン浅海漁民協会(PIFWA):小規模沿岸漁業を行うマレー系漁民の団体。持続可能な漁業を目的に活動し、1997年からは開発等より減少したマングローブ林の再生に取り組む。
Juru村コミュニティ:インテル社等、企業のCSR植林地となっているコミュニティ。
ペラック州マングローブ林友の会:2004年のスマトラ沖地震による津波被害を受け、マングローブの植林を始めた住民団体。
クアラグラ野鳥保護区:マングローブ林友の会の活動地ともなっているペラック州立の野鳥保護区。宿泊施設等があり、ボートで野鳥保護区やマングローブ視察ができる。
マタン・マングローブ保護区:マングローブの見本林があり、ペナン州、ペラック州での植林用マングローブの種子採取地。
インテル・マレーシア社:2008年から継続的にマングローブの植林を実施している。他の企業のCSRによる植林に関するアドバイス等も行っている。
マレーシア天然資源環境省:マレーシア半島部の林業、土地、海洋生態系、河川、環境、野生生物、鉱物等を管轄している。
マレーシア半島森林局:天然資源環境省内にある、半島マレーシア11州の森林局の統括組織。永久保存林の管理、計画、保全や生物多様性保全に関する業務を担う。
マレーシア森林研究所(FRIM):545haの敷地には森林関連の総合研究所のほか熱帯林トレッキングコースやキャノピーウォーク、植物園などもある。
*マングローブとは* マングローブ林とは熱帯・亜熱帯の淡水と海水が混ざる場所に育つ森のことです。「海のゆりかご」とも呼ばれるマングローブ林は、エビやカニ、魚など多くの生物の生息地となり、水質浄化し、高波や津波、風などによる浸食から陸地を守るなど様々な機能があります。東南アジアではエビ養殖の開発や炭材として伐採が進み、急速に減少してきましたが、近年では政府やNGOによる再生・保全活動が行われています。 |