世界の森林と持続可能な森林管理
環境政策提言の優秀提言に選ばれました
環境省が実施する「ＮＧＯ／ＮＰＯ・企業環境政策提言」（第8回／2009年実施）において、地球・人間環境フォーラムの「生物多様性・地域社会共存型の海外森林保全事業モデルの確立と、カーボン・オフセット事業及び炭素クレジットへのビルトイン手法の検討」が優秀提言に選ばれました。
●提言内容
生物多様性を保全し地域社会と共存する森林保全事業のモデルのあるべき姿を確立させることを内容とします。また、当該モデルを活用したカーボン・オフセット事業等形成手法の在り方について検討し、生物多様性保全・地域社会共存等の価値をカーボン・オフセットや炭素クレジット取得にビルトインするための手法を検討します。
【提言のPDF版】生物多様性・地域社会共存型の海外森林保全事業モデルの確立と、カーボン・オフセット事業及び炭素クレジットへのビルトイン手法の検討
アカシア一斉造林
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●背景
世界の森林は減少・劣化の一途を辿っており、とりわけ生物多様性の豊かな原生林は危機的状況にあ ります。一方で、社会貢献活動の花型としての森林保全事業や、植林CDMやカーボン・オフセットを目的とした海外植林事業への企業の関心が高まってきています。しかし、大規模な植林や森林関連事業が、かえって自然植生の減少や生物多様性の劣化、地域社会の伝統的な森林利用に 大きな負の影響を与える場合がある ことにも留意が必要です。
長年、森林から様々な恩恵を受けて生活しているコミュニティは、森林から燃料・食糧・肥料・薬草・日用品の原料などを得ており、それらは伝統的な知恵として文化の一端を担うもの でした。例えば、インドネシアでは、伝統的なコミュニティは、森林資源を守るため、慣習的な森林利用のルールを定めている地域があり、森林保全のインセンティブとして機能してきたことは、多くの研究者が指摘してきたことです。 近年、人々と森との距離が遠くなり、このような伝統が消滅しつつあることが、さらに森林の劣化・減少に拍車をかけています。
温暖化問題の深刻化に伴い、森林の炭素貯留機能を積極的に評価されようとしてきていること自体は喜ばしいことです。 しかし炭素貯留機能のみの評価は、樹木の本数や面積など数値化しやすい評価のみにつながる可能性があり、豊かで多様な森林の代わりに、単一樹種の大面積造林につながりかねません。また、不足する土地問題を背景にした土地争いを生みかねません。地域の社会的背景や森林減少の要因を踏まえた森林保全活動の本来の在り方への理解の共有が必要ではないか−−これが、今回の提言の出発点となった問題意識です。
●「NGO/NPO･企業環境政策提言フォーラム」の開催
５月２７日（水）に「NGO/NPO･企業環境政策提言フォーラム」が開催され、優秀提言と優秀に準ずる提言の紹介があります。
■日時： 平成２１年５月２７日（水） 13:30〜17:00
■会場：航空会館7F「大ホール」 （東京都港区新橋1-18-1）
お申し込みは環境省まで。詳細は環境省のページをご覧ください。
世界の森林は減少・劣化の一途を辿っており、とりわけ生物多様性の豊かな原生林は危機的状況にあ ります。一方で、社会貢献活動の花型としての森林保全事業や、植林CDMやカーボン・オフセットを目的とした海外植林事業への企業の関心が高まってきています。しかし、大規模な植林や森林関連事業が、かえって自然植生の減少や生物多様性の劣化、地域社会の伝統的な森林利用に 大きな負の影響を与える場合がある ことにも留意が必要です。
長年、森林から様々な恩恵を受けて生活しているコミュニティは、森林から燃料・食糧・肥料・薬草・日用品の原料などを得ており、それらは伝統的な知恵として文化の一端を担うもの でした。例えば、インドネシアでは、伝統的なコミュニティは、森林資源を守るため、慣習的な森林利用のルールを定めている地域があり、森林保全のインセンティブとして機能してきたことは、多くの研究者が指摘してきたことです。 近年、人々と森との距離が遠くなり、このような伝統が消滅しつつあることが、さらに森林の劣化・減少に拍車をかけています。
温暖化問題の深刻化に伴い、森林の炭素貯留機能を積極的に評価されようとしてきていること自体は喜ばしいことです。 しかし炭素貯留機能のみの評価は、樹木の本数や面積など数値化しやすい評価のみにつながる可能性があり、豊かで多様な森林の代わりに、単一樹種の大面積造林につながりかねません。また、不足する土地問題を背景にした土地争いを生みかねません。地域の社会的背景や森林減少の要因を踏まえた森林保全活動の本来の在り方への理解の共有が必要ではないか−−これが、今回の提言の出発点となった問題意識です。
●「NGO/NPO･企業環境政策提言フォーラム」の開催
５月２７日（水）に「NGO/NPO･企業環境政策提言フォーラム」が開催され、優秀提言と優秀に準ずる提言の紹介があります。
■日時： 平成２１年５月２７日（水） 13:30〜17:00
■会場：航空会館7F「大ホール」 （東京都港区新橋1-18-1）
お申し込みは環境省まで。詳細は環境省のページをご覧ください。
