環境の本ウナギの“想い”を探る:共に生きる未来へ〈ニホンウナギ読本〉

2025年02月14日グローバルネット2025年2月号

編●田中 克・望岡 典隆

 古代文献にも登場し、江戸後期には庶民の食として誰からも愛されてきた「ウナギ」だが、その生態は解明されていない。本書は、不思議にあふれる生態を持つニホンウナギについて、28人の専門家がその特性を浮き彫りにしようと試みている。生態・分布、ルーツの最新研究や、文化、資源とその生息地である水辺環境の保全・再生の現場報告は、若い世代に読んでもらいたいという思いから、短い章立てと平易な文章で書かれている。

 「ウナギからの質問」などウナギ自身の“想い”と、「人新世」を引き起こした人間の行いを反省し、未来再生のパートナーになってほしいと請う「地球に生きる大先輩ニホンウナギへの手紙」は、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。(花乱社、1,200円+税)

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