環境の本 世界で最初に飢えるのは日本~食の安全保障をどう守るか
2023年03月15日グローバルネット2023年3月号
世界で最初に飢えるのは日本~食の安全保障をどう守るか
著●鈴木 宣弘
ショッキングな題名だが決して誇大な話ではない。食料安全保障推進財団理事長、農林水産省に15年勤務、東大大学院農学生命科学研究科教授などの経歴がある筆者が、食料自給率37%(カロリーベース)という先進国中、最低の日本の現実を、さまざまなデータの国際比較や日本農業の現場の声をすくい上げて実証する。
ウクライナ戦争が続く中、世界中で食料の値上がりが止まらない。中でも日本の食料自給率は過去最低になり、食料安全保障はお寒い限りだ。「お金を払っても食料が買えない時代が来る」「農業をみんなで支えるのは、世界では当たり前だ」と筆者が言うように、日本の農政が国民の理解を得ながら大転換する機会が、今、やって来ている。(講談社、900円+税)