環境の本1.5℃の気候危機~脱炭素で豊かな経済、ネットゼロ社会へ
2022年11月15日グローバルネット2022年11月号
1.5℃の気候危機 ~脱炭素で豊かな経済、ネットゼロ社会へ
著●松下 和夫
著者は環境問題に関する初の国際会議である国連人間環境会議が開かれた1972年に当時の環境庁に入庁。経済協力開発機構(OECD)の環境局や国連地球サミットの事務局でも活躍するなど、国際的視野から地球環境の危機を体感し、警鐘を鳴らしてきた。京都大学大学院に転じてからは、環境政策や環境ガバナンスの研究に取り組み、多くの論考を社会に発信し続けている。
本書は「最近の論考を取りまとめ、再構成した」もので、「脱炭素大競争時代が始まっている」のに、依然世界に遅れを取っている日本の気候・エネルギー政策に抱いている違和感、焦燥感から、脱炭素社会、循環経済、分散型社会への三つの「移行」を加速すべきだと、熱く訴えている。(文化科学高等研究院出版局、1,430円+税)