環境の本・カウントダウン 世界の水が消える時代へ
・ゴミ清掃員の日常 ミライ編

2020年08月18日グローバルネット2020年8月号

カウントダウン 世界の水が消える時代へ

著●レスター・R・ブラウン 監訳●枝廣淳子

『プランB』『地球白書』で知られる著者が水問題に切り込んだ。日本に住む私たちは世界から食料として輸入することで飲み水の500倍の量に当たる水を食べている、つまり食料生産にはそれだけの水が必要だが、それを支える世界の主要帯水層は枯渇しつつある。一方で人口増に歯止めがかからず、井戸が枯れ多くの水移民が生じている現実を具体的データで示す。「日本は水が豊か」と思われているが、食料輸入によるバーチャルウォーターは800億m3と国内消費量に匹敵する。他国の水に依存している私たちの暮らしは持続可能と言えるのだろうか?(海象社、2,200 円+ 税)

 

 

 


ゴミ清掃員の日常 ミライ編

原作・構成●滝沢秀一 まんが●滝沢友紀

本誌連載「ごみ清掃員滝沢が見る世界」を執筆する滝沢秀一さん夫婦共作によって発売され話題となったエッセイまんがの「ミライ編」。

「コロナ禍におけるゴミの出し方」や最終処分場といった教育本とも思えるテーマでも面白さが勝る。ごみや環境問題に関心がなくても子供・大人関係なく、「面倒」「硬い」「指図された」というような感覚にならずに楽しく読めるはず。ごみの捨て方・資源の分別になぜ丁寧に取り組んだ方が良いのかが見えてきて、読後は今より気を付けてみようと思える。

滝沢さんの人を楽しませてくれる熱い思いと、素人ながら作画を担った友紀さんの絵により、彼の人柄や捨てられてしまった食べ物、ごみ袋にも愛着が湧き、ほっこり笑わせてくれる一冊。(講談社、1,000 円+税)

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