フロント/話題と人宮﨑 紗矢香(みやざき さやか)さん
井上 寛人(いのうえ ひろと)さん
(Fridays For Future Tokyo)
2019年09月17日グローバルネット2019年9月号
「気候危機への緊急行動を」 グローバル気候マーチを日本で主催
「9月20日に東京の渋谷に1,000人集める!」と意気込む宮崎さんと井上さんは、「グローバル気候マーチ」を日本で主催するFridays For Future(FFF) Tokyoのオーガナイザー。都内の大学に通う学生だ。このマーチは、9月23日にニューヨークで開かれる国連気候サミットに集まる世界のリーダーに向けて気候変動への具体的な行動を求めるため、全世界150ヵ国以上で同時企画されている。
スウェーデンの16歳グレタ・トゥーンベリさんは、昨年夏、国会前で気候変動への緊急行動を求める抗議の座り込みをたった一人で始めた。彼女の活動はSNSを通じて世界に広まり、以来毎週金曜日の「気候変動問題のための学校ストライキ」への参加者は世界で数百万人を超えているという。
宮﨑さんもグレタさんの行動に心を動かされた一人。今年の3月にスウェーデンの環境視察ツアーに参加、取り組みや意識に関する日本との差を目の当たりにした。その驚きを就職活動の中で訴えてみたが、「日本とは事情が違う」と相手にされず、強い憤りを感じたという。そして、ちょうどその頃に聞いたグレタさんの演説に衝撃を受け、その思いを共有できる場を求めてFFF Tokyoに参加したという。
国連に日本からの大きな声を届けるため、FFFではいくつかのチームに分かれて準備を進めている。請願書チームの宮﨑さんは「東京都に『気候非常事態宣言』を出してもらい、気候変動を最大の危機として捉え、経済成長を追い求める姿勢を見直し、本気でパラダイムシフトに取り組んでもらいたい」。一方の井上さんは、インスタグラムを通じてFFFの活動や自分の思いを伝えている。「高校生や大学生だけでなくすべての世代への参加を呼び掛けています。環境問題のための行動は難しく思えるかもしれないけれど、やってみると楽しいってことを多くの人に伝えたい」。
「グローバル気候マーチ」は今のところ全国12都市での開催が決まっているが、開催地はさらに増えていく予定(詳細はこちらを御覧ください)。このイベントをきっかけに若者たちの思いに応えて、気候危機に本気で取り組む人が増えることを期待したい。(希)