環境の本・ 脱炭素社会のためのQ&A ~気候変動を乗り越えて
・「脱使い捨て」でいこう! ~世界で、日本で、始まっている社会のしくみづくり~
2019年04月15日グローバルネット2019年4月号
脱炭素社会のためのQ&A
~気候変動を乗り越えて
編著●NPO法人 環境文明21
団体の中に脱炭素部会を立ち上げ、10人ほどの会員が1年半にわたって、気候変動、脱炭素社会について重ねた議論をまとめた冊子。33のテーマについて、質問と回答の形式でわかりやすく解説している。脱炭素社会はどんな社会か、対策面で日本が世界に遅れているのは本当か、カーボンプライシングは本当に効果的か、など依然として根強い温暖化対策消極論についても丁寧に解説している。
同書は「ますます深刻化する気候変動を前に、パリ協定に盛り込まれた目標を達成する以外に我々の社会は安全に持続的に継続していくことはできない」とし、中学生にも理解できる内容にしたという平易な文章とともに、筆者たちの一途な熱意が伝わってくる。問い合わせは同法人(電話03-5483-8455)。 (環境新聞社、1,000円+税)
「脱使い捨て」でいこう!
~世界で、日本で、始まっている社会のしくみづくり~
著●瀬口 亮子
著者はペットボトルの使用を削減し、水道水の飲用を推進する水Do!ネットワークの事務局長として、内外の脱使い捨ての事例を調査・研究し、提言活動を続けている。本書の冒頭で、現在、世界の人びとが日本人と同じ生活をすると地球2.8個分も必要だとする国際シンクタンクのデータを紹介。「人類は地球を食いつぶそうとしている」との問題意識が底流にある。
レジ袋、ペットボトル、過剰包装、食品ロスなど、脱使い捨ての事例に加え、全米初のペットボトルの飲料水販売禁止条例、フランスの食品廃棄禁止法など興味深い取り組みが詳しく紹介されている。(彩流社、1,800円+税)