環境の本・里地里山エネルギー~自立分散への挑戦

2017年03月15日グローバルネット2017年3月号

里地里山エネルギー~自立分散への挑戦

著●河野 博子

筆者はニューヨーク支局長なども務めた読売新聞の現役ベテラン記者。気候変動をめぐる国際会議や海外の取材を中心に活躍していたが、本書を上梓した理由を「地方の現場を歩くと、身近な太陽光、風、水力を使ったエネルギーの地産地消を夢物語に終わらせたくないと考える人たちに出会う。空理空論に終わらない理想を掲げ、一歩一歩、実現させようとする人たちの歩みを追ってみたい。そうすれば、狭い意味でのエネルギー論争を越えた、今後50年、100年の大きな方向性が見えてくるのではないか」と記している。

宮城県東松島市のスマート防災エコタウンなど全国5ヵ所の自立分散型エネルギーの取り組みを紹介しているが、核となる人物の人間ドラマが同時に紹介されており、筆者の識見の高さと人びとへの熱い思いが伝わってくる。

(中公新書ラクレ、780円+税)

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