環境の本・SDGs経営~社会課題解決が企業を成長させる
・環境史入門
2019年05月15日グローバルネット2019年5月号
SDGs経営 ~“社会課題解決”が企業を成長させる
著●松木 喬
日刊工業新聞社のベテラン記者で、持続可能な開発目標(SDGs)の啓発のため国連が世界の報道機関を組織化した「SDGメディア・コンパクト」のメンバーでもある筆者が、豊富な取り組み事例の紹介とともに、SDGsの内容をやさしい表現で紹介している。「経営リスクを確認するチェックリストとして活用できる」と企業での導入を呼び掛ける。
SDGsの17それぞれの目標を具体的な企業の取り組みと照らして解説しており、導入を検討している企業にとってはイメージが浮かびやすい。大企業からベンチャー企業の取り組みまで17のモデルケースが紹介され、企業イメージの向上、新たな事業機会の創出になっているか、などが検証されている。 (日刊工業新聞社、1,600円+税)
環境史入門
著●J.ドナルド・ヒューズ/訳●村山 聡、中村 博子
環境史とは、自然環境を人類史の「外」の条件として扱うのではなく、相互に影響し合うものとして、総合的な歴史を描く試み、と紹介されている。著者は米国で世界に先駆けて環境史学会を創設し、学会長も務めたデンバー大学の名誉教授。訳者の村山氏は香川大学教授で東アジア環境史協会学会長、レイチェル・カーソン・センター研究員などを歴任。中村氏は香川大学大学院で学んだ翻訳家。
学生や一般読者を対象にした入門書と位置付けられているが、掲載されている参考文献は614点に上り、学術書としても通用する。著者は古代環境史を主な研究対象とし、古代世界から中世の環境思想などが詳述されている。(岩波書店、2,800円+税)