財団だより固体バイオマスの持続可能性確保に関する調査研究・啓発活動を始めます
2015年12月15日グローバルネット2015年12月号
日本では、2012年7月の再生可能エネルギー電力固定価格買取制度(FIT)の開始以来、木質バイオマス発電事業では170万kWを超える一般木質バイオマス発電が認定されています。これらの発電所で必要となる燃料は、年間3,000万m3以上の木材に匹敵します。その大半は輸入で賄われると予想され、この膨大な量のバイオマスの輸入が、国内外の資源の持続可能性を損なわないようにするための対策が急務です。
バイオマス利用に関する調査や提言活動を行っているNPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)を中心に発足した「固体バイオマスの持続可能性確保に関する調査研究・啓発活動」に、三井物産環境基金からの助成が決まりました。本活動は当財団のほか、自然エネルギーや省エネルギー、合法木材の普及・推進に取り組む団体が協力団体となり、2015年度後半より3年間にわたり実施されます。
本活動では、東南アジアなどから輸入されているバイオマス燃料の生産状況や、固体バイオマスの持続可能性基準の策定について先行するヨーロッパでの現状、さらに国内のバイオマス発電事業者の状況などについて、文献調査や現地調査を行います。来年度は、シンポジウムを開催し、さらに政策提言を行う予定です。WEBサイト・冊子・資料映像などを通じて、関係者や広く社会へ向けた啓発活動も行います。
国内での固体バイオマスの持続可能性を確保する基準・制度などの策定・実施を促し、持続可能な固体バイオマス利用の実現を目指します。
詳細はBINのWEBサイトをご参照ください。