フロント/話題と人安藤 志保さん(Refillひろしま リーダー)
2024年03月22日グローバルネット2024年3月号
人と人をつないで、広島でのリフィル行動に取り組む
誰もが気軽に水分補給できる「給水スポット」を増やし、リフィル(Refill、再び詰める)行動を広げることで、使い捨て容器を減らしてサステナブルなまちづくりを推進する協働プラットフォーム、「Refill Japan」。全国各地でリフィル行動の啓発活動を行うメンバーが一堂に会する「リフィルサミット」が2月、広島県で開催された(本号特集参照)。今年のサミットをホストしたのはRefillひろしま(事務局:かんきょう会議浮城)。安藤さんはこのリーダーを務める。
国際平和拠点、広島県には国内外から多くの観光客が訪れ、広島県と愛媛県をつなぐ瀬戸内しまなみ海道には多くのサイクリストたちが集まる。Refillひろしまは2022年6月にRefill Japanに参加して以来、約1年半の間に広島市平和記念公園内にある給水所をはじめとする49ヵ所のリフィルスポットを開拓し、観光客や地元の人がマイボトルやマイ容器を使って利用している。
広島県三原市で生まれ育った安藤さんは、長女の出産を機に地球温暖化や生物多様性の減少などの報道を目にし、将来の環境に不安を持つようになった。そこで環境問題に関心を持つ仲間を見つけて声をかけ、1998年に「環境」「平和」「命」をテーマに活動する市民団体を結成。広島県地球温暖化防止活動推進員1期生としても活動した。そして三原市の環境基本計画を推進する地域組織として2008年に誕生したかんきょう会議浮城のメンバーとなり、30数万人が来場する中国地方を代表する夏祭り「やっさ祭り」に繰り返し洗って利用するリユースカップを導入し、大幅なごみ減量を達成した。さらに、三原市の環境政策に自ら関わりたいと2013年から2期8年間三原市議会議員として、環境にやさしい街づくりの実現に尽力した。5年前には町内会長となり、町内会の会議の水をペットボトルからリユース容器に切り替えるなど、リフィル行動の実践と共に地域の持続可能性にも取り組んでいる。
広島では名物のお好み焼きをテイクアウトする人も多いことから、「今後はマイ容器が利用可能なお好み焼き屋さんの開拓にも力を入れたい」と安藤さん。広島でリフィルの輪を広げるために奔走している。(M)