環境の本川は道 森は家
2023年08月15日グローバルネット2023年8月号
文・写真●伊藤 健次
本書の舞台は、北海道の対岸、ロシア極東の日本海沿岸を南北に走るシホテアリニ山脈から流れ出るビキン川流域の森・ウスリータイガ。ビキン川流域は針葉樹と広葉樹が混じり、アムールトラやクマ、シマフクロウ、カワウソなど多様な生き物が生息する原生林として世界遺産にも指定されている。ウデヘなど先住民族は、ここを「自分たちにとって、川は道、森は家」と言い、今でもタイガと共にある暮らしを送っている。写真家である著者が、四季折々にウデヘの猟に同行し、川や森、生き物、そしてウデヘの営みを写真と優しい文章でつづっている。
小学生向け科学雑誌「たくさんのふしぎ」から生まれた本書は、夏休みに子どもと一緒に読むのにもお薦めの1冊。(福音館書店、1,300円+税)