特集/シンポジウム報告 IPCCシンポジウム IPCC第6次評価報告書から考える私たちと気候変動<基調講演>IPCCの概要

2023年01月16日グローバルネット2023年1月号

IPCCインベントリータスクフォース共同議長
田辺 清人(たなべ きよと)さん

 2021年8月から2022年4月にかけて、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)の第1 作業部会(WGⅠ、自然科学的根拠)、第2 作業部会(WGⅡ、影響・適応・脆弱性)、第3作業部会(WGⅢ、気候変動の緩和)の各報告書が公表されました。統合報告書の発表は、今年の3月に予定されています。
 本特集では、2022年11月30日(水)に東京都内の会場で、対面方式とオンライン方式の併用で開催されたIPCC シンポジウム『IPCC 第6 次評価報告書から考える私たちと気候変動』(主催:環境省、文部科学省、農林水産省、気象庁)における、WGⅠ、WGⅡそれぞれの共同議長や報告書の日本人執筆者などによる基調講演およびパネルディスカッションの概要を報告します。

 

IPCCの役割

 IPCCは、1988年に世界気象機関と国連環境計画が設立して、国連総会が承認したものです。現在195ヵ国の政府が加盟しており、世界中の科学者の自発的な貢献によって支えられています。IPCCの評価報告書は、温暖化に関する国際交渉を進展させる役割を担ってきました(1990年第1次評価報告書、1995年第2次、2001年第3次、2007年第4次、2013~14年第5次、2021~23年第6次)。

IPCCの今後:第7次評価期間(AR7)

 2023年7月に第59回総会が開催され、新たな議長団の選挙が行われる予定です。AR7の期間は5~7年で、具体的な活動計画は新しい体制の下で決定されます。既に「気候変動と都市に関する特別報告書」と「短寿命気候強制因子(SLCF)の排出量計算の方法を示す方法論報告書」の2つを作成することが決まっています。

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