環境の本腸と森の「土」を育てる~微生物が健康にする人と環境

2022年08月15日グローバルネット2022年8月号

腸と森の「土」を育てる ~微生物が健康にする人と環境

著●桐村 里紗

題名が好奇心をそそり、結論を急いでページをめくりたくなる。裏表紙に「人は森であり、腸に『土』を内包している。土壌に暮らす微生物が、食べ物とともに腸内に移住したものが腸内細菌の起源」とある。著者は腸内細菌の研究などを通じ、人と地球全体の健康を関連させて環境問題の解決を試みるプラネタリーヘルスケアを提唱するお医者さん。

腸内細菌と心身の疾患との関連について、最新の医学研究の成果も豊富に紹介され、コロナのような感染症予防にも腸内環境が大切だと説く。さらに、筆者は仏教の教えである「身土不二」にも触れ、「今こそ土に触れ、土とともに生きる時です」と説き、最も身近な食べ物を、人と地球の土を同時に改良し、健康にするものから選択するよう呼び掛けている。(光文社新書、920円+税)

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