フロント/話題と人羽仁 カンタさん

2016年08月15日グローバルネット2016年8月号

オリンピック・パラリンピックを持続可能な大会に
~NGO/NPOが連携してレガシーをつくる~
持続可能なスポーツイベントを実現するNGO/NPO連絡会(SUSPON(サスポン))代表 羽仁 カンタさん

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「オリンピック・パラリンピック(オリパラ)にこそ、市民、企業、行政が参加して、日本の未来である遺産を作る。そのプロセスにNGOが影響を与えていくことでより良いものにしていきたい」と語るのは、SUSPON代表の羽仁カンタさん。

2020年オリパラ東京大会を持続可能な大会とし、その後の社会づくりにもつなげることを目指すNGO/NPOが連携を開始した。現在11団体が参加し、ごみゼロ、責任ある資源調達、気候変動、企業の社会的責任、生物多様性、食料調達の六つの部会に分かれて情報交換をしつつ、自ら活動し、大会の組織委員会やスポンサー企業に働きかけている。SUSPONに参加する多様なNGO/NPOを代表する顔に羽仁さんが選ばれた。

羽仁さんは米国留学中の1991年、地球サミット(1992年、ブラジル・リオ)に向けて50ヵ国70団体の若者たちが展開するA SEED国際キャンペーンに参加。米国から派遣される形で留学を中断して帰国し、当時の日本では珍しい若者が中心となって活動する国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」を設立した。

「若者の力で世界を変えて行こう」と、野外音楽イベント等で環境対策活動「ごみゼロナビゲーション」を展開。活動の場の一つであるFUJI ROCK FESTIVALは今年20周年を迎え、「世界一クリーンなフェス」と呼ばれるまでになった。若者の未来を創る活動を支えるため、2014年1月にごみゼロナビゲーションの活動を独立させてNPO iPledgeを設立。野外音楽イベントのほか、お花見で賑わう都内の公園や夏季の海岸などで年間のべ2,000人のボランティアとともに常に現場で活動を続けている。

持続可能なオリパラ開催に向けて「行政や企業と対立するのではなく、国内外の幅広いネットワークやさまざまな経験を活かした持続可能な方法で、互いを尊重し、協力し合っていくことこそが、唯一の道」と語り、今後はSUSPONの参加団体を増やし、提言活動だけでなく、課題解決のための実践活動を担えるような組織として発展させていきたいと考えている。

羽仁さんの行動力と求心力、豊富な人的ネットワークが大いに期待されている。(M)

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