環境の本世界遺産 奄美~自然の“価値”とは何か

2022年05月17日グローバルネット2022年5月号

世界遺産 奄美~自然の“価値”とは何か

著●小野寺 浩

環境省のレンジャーとしての阿蘇での自然保護を振り出しに、鹿児島県出向、環境省自然保護局長、鹿児島大学教授などを歴任した著者の、「実践的自然保護論」の集大成。現在、公益財団法人・屋久島環境文化財団理事長を務め、日本で5番目の世界自然遺産・奄美の登録(2021年)に尽力し、「人間の関与も含めてまるごと自然として評価する」という新しい国立公園の理念を披歴している。

鹿児島大学時代に、屋久島の世界遺産登録を視野に、屋久島環境文化懇談会を設立。「自然保護はこの国ではともすれば軽く扱われる」という思いを跳ね返すように、懇談会には、上山俊平、梅原猛、福井健一といった日本の知性を代表する人々が参集した。

一つの県に屋久島、奄美の二つの世界自然遺産がある。筆者の鹿児島愛、広い人脈、自然保護への熱意のなせる技である。(南方新社、1,800円+税)

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