環境の本・アメリカ環境法
・気候危機! 子どもたちが地球を救う

2020年09月15日グローバルネット2020年9月号

アメリカ環境法

著●ダニエル・A.ファーバー 訳●辻雄一郎、信澤久美子、阿部満、北村喜宣

世界の環境政策に大きな影響を与える米国の環境法と、裁判所の判断や大統領の取り組みを理解するためにコンパクトにまとめられた一冊。ファーバー氏はカリフォルニア大学バークレー校ロースクールの教授で、憲法、環境法、気候変動法を専攻。本書は、同教授が初心者向けに発行していた概説書であるNutshellシリーズの一冊が原著。

翻訳に当たった辻雄一郎・明治大学法学部准教授ら4人の学者はいずれも同教授の教え子で、日本語版の出版に当たり、用語の統一、概念の整理など著者と緊密な連絡を取り合ったという。

気候変動など信用しないと公言しているトランプ大統領が、環境規制を敵視する中で、米国の裁判所が環境法の基本的枠組みを変化させずどのように対応するのかなど、興味深い記述にあふれている。(勁草書房、5,800円+税)

 

 


気候危機! 子どもたちが地球を救う

著●堤 江実 監修●功刀 正行

堤さんは文化放送の元アナウンサーで詩人。翻訳、絵本作家としても活躍中で、2011年には東久邇宮文化褒賞を受賞。環境問題を解決しようと世界中で立ち上がった子供たちに共感しながら、優しい言葉と科学的な証拠を挙げながら、人類に迫る気候の危機と戦っている子供たちを紹介している。

2018年、スウェーデンの国会議事堂前で座り込み、「わたしたちの未来のために、今すぐCO2をとめよう」と訴えたグレタ・トゥーンベリさん(当時15歳)をはじめ、オランダ、フィリピン、アラブ首長国連邦、米国、日本で活躍する若者を紹介し「今、世界中で、子どもたちが、若者たちが、動き出しています。」と述べている(汐文社、1,400円+税)。

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