環境の本僕の街に「道路怪獣」が来た: 現代の道路戦争
SDGs×自治体 実践ガイドブック: 現場で活かせる知識と手法
2020年04月15日グローバルネット2020年4月号
僕の街に「道路怪獣」が来た~現代の道路戦争
著●山本 俊明
自然環境、生態系の保全問題は、民主主義のありようと密接に関係する。道路建設のこれまでと現状を克明に追う中で、その本質的問題を浮き彫りにした。
著者はニューヨーク特派員、編集委員などを経験した時事通信社記者で、専門は国際経済。最近多い机上の情報収集のみを得意とする記者とは異なり、地を這うような取材を重ねている。
現在なお戦時行政法規が生き残る都市計画決定などの制度的課題を明らかにする一方、東京の放射36号線道路問題など住民参加の具体的方法を学べる事例も豊富だ。私たちが今、住民として考え、行動するべきことについて、考えさせられる。(緑風出版、2,200円+税)
SDGs×自治体 実践ガイドブック~現場で活かせる知識と手法
著●高木 超
著者は慶応大学大学院政策・メディア研究科の特任助教であり、国連大学サステナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットにも籍を置く。
神奈川県大和市の職員を退職後、米国の大学に留学し、自治体における国連持続可能な開発目標(SDGs)のローカライズに関する研究を行うなど、本書のテーマに関する第一人者。
SDGsに取り組む自治体は増えているが、筆者が開発した「理解度スケール」の各段階で分類すると、「自分ごと段階」として推進している自治体は19%(241自治体)。多くが「もやもや段階」「アンテナ段階」にあるとしており、SDGsの基礎知識からワークショップの進め方、実践例をわかりやすく紹介している。(学芸出版社、2,200円+税)