4/9(水)開催 原生林を燃やす日本のバイオマス発電~カナダの燃料生産地 視察報告会
2025年03月21日イベント
日本では再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)によって、バイオマス発電が支援されてきました。
日本のバイオマス発電の主要燃料である木質ペレットの輸入元第2位はカナダで、そのほとんどがブリティッシュコロンビア州で生産されています。現地に広がる原生林は、絶滅危惧種の森林トナカイなどの生息地であり、樹木や土壌に膨大な炭素を蓄え、先住民族の暮らしを支えてきました。
しかし、毎年、東京の面積に匹敵する20万ヘクタールが皆伐され続け、その一部が日本に輸出されバイオマス火力発電の燃料として燃やされています。
わたしたちはバイオマス燃料の生産地で起きている問題を理解し、日本に伝えるため、現地調査を行ってきました。昨年9月にはパタゴニア環境助成金の支援の下、自然写真家・伊藤健次さん、持続可能な森林経営を行っている速水林業代表・速水亨さんらと共にBC州の視察を行いました。
この報告会では、今回現地で確認した原生林の伐採やペレット工場周辺の状況をお伝えし、海外の貴重な森林を燃料にするバイオマス発電を「再エネ」として使うことの課題について考えます。
日時
2025年4月9日(水)16:00-17:30
開催方法
オンライン(Zoomウェビナー)
参加費
無料
お申し込みフォーム
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_aGyZwEAASBu2XxdzHnnptQ
プログラム
- 開会
- 動画:【カナダの森林学者が語る】原生林を燃やす私たちの電気
- 発表①「日本の輸入木質バイオマス発電の現状」 鈴嶋克太(地球・人間環境フォーラム)
- 発表② 伊藤健次氏
- 発表③ 速水亨氏
- コメント 石井徹氏
- 質疑応答
ゲスト登壇者
北方の野生生物と環境を見つめ、人との関わりを伝える写真家。北海道在住。カナダBC州ではバンクーバー島の原木からアイヌの海洋船イタオマチㇷ゚を復元し、現地の先住民と航海する旅に参加。パタゴニアスピーカーとして紹介。近著に「伊藤健次の北の生き物セレクション」(北海道新聞社)、ロシアの森と狩人の写真絵本「川は道 森は家」(たくさんのふしぎ傑作集・福音館書店)、「アイヌプリの原野へ」(朝日新聞出版)など。
速水林業代表、株式会社森林再生システム代表取締役、FSCジャパン副代表。慶応義塾大学卒業。東京大学農学部研究室を経て家業の林業に携わる。2000年日本初のFSC認証取得。2018年農林水産祭天皇杯受賞。農林水産省林政審議会委員、環境省中央環境審議会専門委員、国土交通省国土審議会計画部会専門委員、内閣府行政刷新会議事業仕分け・仕分け人、東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部運営諮問会議委員等歴任。著書:日経出版「日本林業を立て直す」、築地書館「森林未来会議」編者・共著等。
環境ジャーナリスト(元朝日新聞記者)。1960年東京生まれ。広告会社を経て1985年に朝日新聞社入社。東京社会部時代の1997年に地球温暖化防止京都会議(COP3)を担当して以来、環境・エネルギー分野を中心に取材。2005年、英エジンバラ大学客員研究員。2011年の東日本大震災・福島原発事故の際は青森総局長。退社した2025年3月まで編集委員。GLOBE特集では「耕さない農業」「森は話す マザーツリーを探して」など。著書に『地球異変』『地球よ 環境元年宣言』『エコ・ウオーズ 低炭素社会への挑戦』(いずれも共著)など。
現地取材を基にした記事はこちら
- 朝日新聞GLOBE「森は話す マザーツリーを探して」(2025年2月)
- 朝日新聞「カナダの「マザーツリー」も燃料に 木質バイオマス発電はエコなのか」(2025年2月6日)
主催・お問合せ
一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)
協力
パタゴニア日本支社、NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク、ウータン・森と生活を考える会