10/21(月) バイオマス国際アクションデー連携ウェビナー「BECCS (バイオエネルギー+炭素回収貯留)でネガティブエミッションは実現可能か?-日本の文脈と事例から考える」
2024年10月15日イベント
現在、注目されている脱炭素技術の一つにバイオマス発電とCCS (炭素回収・貯留)を組み合わせたBECCS *があります。今年度中の策定に向け検討が進んでいる「第7次エネルギー基本計画」でも、CCSによる火力の「脱炭素化」と共にネガティブエミッション技術としてBECCSが推進され、国内でのBECCS事業化も一部で始まっています。
しかしCCSは、石炭火力を含む化石燃料インフラの延命、コスト面や地震国・日本における安全性、隔離状況の長期間のモニタリングの必要性など、さまざまな問題が指摘されています。
また木質バイオマス発電の問題として、燃焼によるCO2排出が石炭より多いにも関わらずFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)ではゼロとされていること、日本向けの主要な燃料生産地であるカナダやアメリカではペレット生産のための天然林・原生林伐採が起きていることなどが指摘されています。木質バイオマス発電が、再エネとして適切か、気候変動対策として有効か、見直しが求められるなか、BECCSは”ネガティブエミッション”として信頼に値すると言えるでしょうか。
国際バイオマスアクションデーに合わせて開催する本セミナーでは、日本におけるCCSとBECCSの具体的な課題について、それぞれの専門家にご解説いただきます。また環境NGO等から出されている脱炭素シナリオにも触れ、第7次エネルギー基本計画でバイオマス発電を高い割合で位置づけることのリスクについて考えます。
*BECCS:バイオマスエネルギー+CCS。バイオエネルギーの燃焼により発生したCO2を回収・貯留する技術。
プログラム
- 日本にとってCCSとは 発表資料
堀尾 正靱(共生エネルギー社会実装研究所理事長、東京農工大学名誉教授)
- BECCS(バイオマス発電CCS)の課題 発表資料
泊みゆき(NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長)
- エネルギー基本計画に向けての各シナリオにおけるバイオマスの位置づけ(仮題)発表資料
石崎雄一郎(ウータン・森と生活を考える会事務局長)
アーカイブ動画
※31:40【水素燃料の輸送時などの圧力について、堀尾氏より補足説明】
タンクローリー中の水素の圧力は200気圧、水素ステーションでは800気圧に昇圧する。
日時
2024年10月21日(月)13:30-15:00(5分前開場)
開催方法
Zoomウェビナー
参加費
無料
お申し込みフォーム
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_tQVahzu7TqOhgLmBtiZ3rA
ゲスト登壇者略歴
堀尾 正靱 氏
(一社)共生エネルギー社会実装研究所理事長、東京農工大学名誉教授
もともとの専門分野は、化学工学、流動層工学、粉体反応工学、環境・エネルギー工学。現在、物質・エネルギーシステム論、科学技術社会論、および、内発的発展論の視点から、持続型社会への移行・SDGsの実現について、理論と実践の両面から研究している。
主催(問い合わせ)
一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)
共催団体
ウータン・森と生活を考える会、バイオマス産業社会ネットワーク
バイオマス国際アクションデーについて
国際アクションデーは、国際NGO・Environmental Paper Networkの下にあるバイオマス・アクション・ネットワークの企画で、大規模なバイオマス・エネルギーの環境的・社会的影響を世界的に明らかし、政策の変更を求めることを目的としています。国際アクション・デーは、世界各地の市民組織が協力し、それぞれの地域の問題に焦点を当てるもので、ウェビナー、報告書の出版、抗議行動など、各地およびオンラインでのイベントやアクションが行われます。今年は、コロンビアで開催される生物多様性条約の締約国会議(CBD-COP)の初日に合わせた実施となります。