オオタナゴ(新規外来種)の調査・研究
有害外来生物をコントロールするための基礎的調査
日本固有種であるゼニタナゴやタナゴの重要な生息地である霞ヶ浦では、水産振興等のため多くの外来魚が放流され、とくに2000年頃侵入が確認されたオオタナゴは一部水域で爆発的に増殖し、在来タナゴ類の生息が危機的状況となっています。このような外来魚の防除対策としては、水際で侵入を防ぐことが最も重要ですが、侵入した場合には、初期の段階での駆除や拡散を防ぐこと(コントロール)が最も効果的で費用がかかりません。
侵入したての外来種の効果的な初期コントロール方法や、流通経路から見た拡散防止策などを検討するべく、オオタナゴの生態的特性と在来種への影響を明らかにすることを目的として、2006年度に霞ヶ浦における繁殖生態や食性などの基礎的知見を得るための調査を実施しました。
本種は早期の排除・拡散防止のため、2016年10月、外来生物法の特定外来生物に指定され、「飼養・運搬等」、「譲渡」、「輸入」等が禁止されています。
なお、本事業は日本郵政公社2006年度年賀寄附金の配分を受けて実施しました。
- 2006年度の調査報告 「外来種の防除:初期コントロールを目指して-霞ヶ浦におけるオオタナゴに関する調査」 (PDF:66KB)
また、調査報告概要はグローバルネット201号(2007年8月発刊)のGNスクエアにおいて公表しています。 - 論文「霞ヶ浦における国外外来種オオタナゴAcheilognathus macropterus の繁殖生態と生活史」
萩原富司/魚類学雑誌58(1): 41-48 2011年4月25日発行 Abstract (PDF: 127KB)
オオタナゴ。学名 Acheilognathus macropterus (Bleeker,1871) オス 婚姻色 背鰭軟条数:17、尻鰭軟条数:12。2006年4月30日稲敷市古渡霞ヶ浦で採取、当日撮影
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オオタナゴの口ヒゲ。極めて短く、実体顕微鏡でないと確認できない。稲敷市古渡霞ヶ浦で採取、2002年1月29日撮影(ホルマリン固定標本)
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作成日:2016年09月21日 15時05分
更新日:2022年08月08日 18時33分