持続可能な原材料調達
日本は、世界有数の資源消費国であり、多くの資源をさまざまな形で発展途上国から輸入しています。本来、原材料の調達にあたっては、日本国内だけでなく国外生産地における環境・社会配慮も欠かせないはずですが、複雑なサプライチェーンや情報の不足から、国外生産地におけるこうした問題は必ずしも消費国で認識されていないのが実情です。私たち消費者がより安いものを求め、企業がそれを提供することに注力すればするほど、原材料生産にあたって必要な環境社会配慮の費用が支払われず、そのツケを払うのは、環境問題や社会問題で被害を受ける現地の人びとということになりかねません。
企業の社会的責任が問われる今こそ、集積された過去の事例に学び、国として、企業として、原材料調達の問題に戦略的に取り組むことが重要です。
こうした問題認識に基づき、地球・人間環境フォーラム(GEF)は「発展途上地域における原材料調達のグリーン化支援」に関する政策提言を行い、2004年度の「NGO/NPO・企業環境政策提言フォーラム(環境省主催)」において優秀提言にも選ばれました。
木材やパーム油、食、金融機関をキーワードに、特に海外の森林にインパクトを与える資源のサプライチェーンの持続可能性をテーマに活動を展開しています。
2006年からはバイオマスのエネルギー利用が気候変動対策として国内外で推進されるようになった状況を受け、バイオマス利用の持続可能性についての調査・提言を開始、さらに固定価格買取制度(FIT)のもと再生可能エネルギーとして推進されている、特に燃料を輸入に依存するバイオマス発電について、問題意識を伝える提言活動(バイオマスエネルギーと森林)に取り組んでいます。
2022年には、森林破壊ゼロとアニマル・ウェルフェアに焦点をあててサプライチェーンのESGリスクについて企業に情報提供を始めます。
今後も、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)、国の資源・エネルギー戦略、貿易と環境をめぐる議論の中で、関係者に対し提言活動を行っていきます。
セミナー・シンポジウム資料(2011年以前)
2011年2月24日 | 第3回持続可能なパーム油のためのシンポジウム「生物多様性と企業の役割~認証パーム油の動向」 |
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2009年6月3日 | 緊急報告:危機に立つ生物多様性 「天国に一番近い島」で今何が? ニューカレドニア・ニッケル開発事業を事例に |
2009年3月5日 | シンポジウム「バイオ燃料と土地利用~持続可能性の視点から~」 |
2009年2月17日 | 第2回持続可能なパーム油のためのシンポジウム「生物多様性と企業の役割~パーム油の現場から~」 |
2008年10月9日 | シンポジウム「わたしたちの手で創る水産資源の未来 ~MSC漁業認証の役割」配布資料 | 2008年9月3日 | セミナー「信頼できる紙の選択~森林認証の役割と意義」配布資料 |
2008年5月21日 | G8環境大臣会合に向けた国際市民フォーラム 「バイオ燃料・森林減少防止は気候変動対策となるか?」 |
2008年3月12日 | セミナー「資源開発とCSR~環境社会影響とその対策」開催報告 |
2008年1月31日 | ミニセミナー「生物多様性と企業」 |
2007年10月10日 | 第1回持続可能なパーム油のための企業フォーラムと公開シンポジウム 「パーム油とCSR」開催報告 |
2007年10月5日 | セミナー「資源開発と先住民族、そしてCSR」開催報告 |
2006年5~12月 | 「持続可能な原材料調達 連続セミナー」(全5回) |
その他の資料(2011年以前)
- バイオ燃料の持続可能性に関する調査報告書(2009年6月)
- バイオ燃料の持続可能性に関する共同提言 (改定版)を公表(2009年3月5日)
- グリーン購入法「基本方針」見直しにコメント提出 「古紙利用率を下げることは不適切。植林にも環境影響評価を」
- インドネシア 泥炭地破壊で世界第3 位のCO2 排出国に ~木材・パームオイル需要と地域経済開発が元凶~(シンポジウム「アジアに迫る温暖化と低炭素エネルギー開発~バイオ燃料、水力発電CDM、天然ガス開発の持続可能性を問う~」(2007年2月8日開催)配布資料)
- 「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 」(2006年)
作成日:2017年02月01日 11時58分
更新日:2022年09月28日 10時32分