森林

森林:課題イメージ

森林は、二酸化炭素の吸収・蓄積源という役割以外にも、生物多様性の保全、水源涵養、土壌保全・土砂災害防止、物質生産、快適環境の形成やレクリエーション、文化的機能など様々な機能があり、地球環境と人間社会の安定と持続可能性のために不可欠な存在です。

しかしながら、世界の森林は依然として危機的な状況にあります。森林の劣化や原生林の減少、植林の拡大等「森林の質的変化」もとどまるところを知りません。このような世界の森林破壊・劣化の状況に対して、世界有数の木材消費国である日本は大きな責任を負っていると同時に、世界の森林保全に貢献する可能性を持っているともいえるのです。

地球・人間環境フォーラムでは、こうした森林の問題について以下の調査、普及啓発、政策提言活動に取り組んできました。

2002年に国際環境NGO FoE Japanとともに開始したフェアウッド・キャンペーン(現在は「フェアウッド・パートナーズ」と改称)では、木材に関わるビジネスにおける木の流れを、透明に持続可能にするためのさまざまな活動に取り組んでいます。

現地活動である「タイガフォーラム」では、日本海を挟んだロシア極東にある「タイガ」の森の保全活動を、先住民族や現地の環境NGOとともに実施しています。

また、日本は世界有数の資源消費国として、多くの資源をさまざまな形で発展途上国から輸入しています。当財団は「国内だけでなく国外生産地における環境・社会配慮が欠かせない」という問題意識に基づいて、持続可能な原材料調達に向けた政策提言に取り組んできました。

さらに、バイオマスエネルギーと森林についての提言も行ってきました。近年は、気候変動対策として国内で相次いで計画されているバイオマス発電に関して、特に燃料を輸入に依存するバイオマス発電について、生産地の森林生態系や気候変動への影響という観点から、問題を伝える政策提言活動に取り組んでいます。

2022年には、森林減少ゼロとアニマル・ウェルフェアに焦点をあててサプライチェーンのESGリスクについて企業に情報提供を始めます。

過去の活動

世界の森林と持続可能な森林管理や生物多様性に関する調査や情報提供などを行った、すでに終了した事業やプロジェクトを紹介します。

ITTOプロジェクト(自主事業:ITTO助成、2007.5~2011.7)
  国際熱帯木材機関(ITTO)の支援を受け、持続可能に生産された木材の流通の拡大を目的にインドネシア、マレーシア、パプアニューギニアを対象に調査を実施

「REDDのためのFPICガイドライン作成プロジェクト」(自主事業:地球環境基金助成、2012~2014年度)
  REDDプロジェクト(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)におけるセーフガードの取り組み

「フォレスト パートナーシップ・プラットフォーム」(環境省事業、2010~2015年度)
  企業とNGO/NPOのパートナーシップによる森林保全を推進するための情報提供ウェブサイト

「人と木」の作成(環境省事業、2009年度)
  世界における森林減少・劣化の問題を学ぶための映像教材。映像と教材は自由にご利用いただけます。

報告書

平成22年度 木材調達のグリーン化普及啓発キャンペーン実施業務報告書(2011.3)
平成21年度 木材調達のグリーン化普及啓発キャンペーン実施業務報告書(2010.3)
平成20年度 木材調達のグリーン化普及啓発キャンペーン実施業務報告書 (2009.3)
平成19年度 違法伐採による環境影響調査業務報告書 (2008.3)
平成18年度 世界の森林保全のための違法伐採問題に関する検討調査業務報告書 (2007.3)
平成18年度 持続可能な森林経営に向けた国際的な行動規範等策定調査業務報告書 (2007.3)
平成15年度 森林生態系の保全管理に係る調査業務報告書(2004.3)
平成10年度 森林の保全と持続可能な管理のあり方に関する調査報告書(1998.3)

提言など

生物多様性・地域社会共存型の海外森林保全事業モデルの確立と、カーボン・オフセット事業及び炭素クレジットへのビルトイン手法の検討 (2009.5)
G8環境大臣会合に向けた国際市民フォーラム 「バイオ燃料・森林減少防止は気候変動対策となるか?」(2008.5)
森林生態系に配慮した木材調達に関するNGO共同提言書(2006.02.20)
森林生態系に配慮した紙調達に関するNGO共同提言書(2004.10.06)

作成日:2017年02月01日 11時45分
更新日:2024年11月12日 14時17分