当財団はこのたび、「発展途上地域における原材料調達のグリーン化支援」実施可能性調査を実施しました。
この提言は、環境省の「平成16年度NGO/NPO・企業環境政策提言」において優秀提言に選ばれたものです。
日本は、世界有数の資源消費国であり、多くの資源がさまざまな形で発展途上国から輸入されています。本来、原材料の調達にあたっては、日本国内だけでなく生産地における環境・社会配慮が欠かせないはずですが、複雑なサプライチェーンや情報の
不足から、これらの問題は必ずしも消費国で認識されてはいないのが実情です。私たち消費者がより安いものを求め、企業がそれを提供することに注力すればするほど、原材料生産にあたって必要な環境社会配慮の費用が支払われず、そのツケを払うのは、
環境問題や社会問題で被害を受ける現地の人々ということになりかねません。
例えば鉱山開発にあたって先住民が土地を奪われたり、公害の被害者となったり、プランテーションの開発や大規模林業開発で地元民と企業の間で土地や森林資源をめぐる紛争が生じたりする例が、過去多く生じています。一方、これらの問題を解決するための取組が、企業と市民の間で進められてきています。企業の社会的責任が問われる今こそ、集積された過去の事例に学び、国として、企業として、原材料調達の問題に戦略的に取り組むことが重要です。
地球・人間環境フォーラムでは、2006年3月、木材、パーム油、鉱物資源、漁業資源、金融機関の資源開発にあたっての環境社会配慮などに関する調査報告書をまとめました。
また、2006年5月から、「持続可能な原材料調達 連続セミナー」(全6回)を開催中です。
調査報告書「発展途上地域における原材料調達グリーン化支援事業 サプライチェーンを遡ってみれば」(2006年3月)
「持続可能な原材料調達 連続セミナー」(全6回):2006年5月から12月まで