OP 4.01Annex C

 

これらの政策は世界銀行職員が使用するために作成されたもので、必ずしも主題の完全な扱いとは限らない。

 

 

環境管理計画

 

 

  1. 案件の環境管理計画(EMP)は、環境や社会へ与える悪影響を排除、相殺、または許容水準まで削減するために、案件の実施・運営期間中にとられる一連の緩和策、モニタリング策、および制度的対策によって構成されている。計画には、このような方策を実施するのに必要な行動も含まれる。管理計画は、カテゴリーA案件のEA報告書には欠かせない要素であり、また多くのカテゴリーB案件については、EAの結果、管理計画のみが作成されることがある。管理計画を準備するために、借入人とEA設計班は、(a)潜在的悪影響への一連の対応策を認知し、(b)その対応策が効果的にかつ時宜を得て採られることを保証するための要件を定め、(c)それらの要件を満たすためにとられる手段を説明する。より具体的に挙げると、環境管理計画は、以下のような項目を含む。
  2.  

    緩和策

  3. 環境管理計画は、顕著に表れ得る環境への悪影響を許容レベルまで削減する対策のうち、実行可能で費用効果の高いものを認知する。緩和策が実行可能でない、費用効果が上がらない、または十分でない、といった場合には、計画は、補償対策を含む。具体的には、環境管理計画は、

 

  1. 全ての予期される環境への著しい悪影響を認知し、要約する。(先住民族や強制移動に関するものも含む。)
  2. 各緩和策を―技術的詳細記述とともに―説明する。各緩和策が対象とする影響の種類や、どのような状況で(連続的に、もしくは偶発的に、等)各対策が要求されるのか、といった事柄も説明に含まれる。緩和策のデザイン、設備の記述、業務手順なども、適当であれば含まれる。
  3.  

  4. これらの緩和策が、環境に与え得る影響を評価する。
  5.  

  6. 案件のために必要とされているその他の緩和策(強制移動、先住民族、文化遺産に関するもの等)とのつながりを提示する。

 

モニタリング

 

  1. 案件実施中の環境モニタリングは、案件の環境に関する重要な側面、特に案件が環境に与える影響と緩和策の効果、についての情報を提供する。その様な情報によって、借入人と世界銀行は、案件監督の一部として緩和策の成果を評価することが出来る。さらに、改善行動を必要なときにとることが可能となる。従って、環境管理計画は、EA報告書中で評価された影響と環境管理計画中に記述されている緩和策とのつながりを考慮しつつ、モニタリング対象およびモニタリング方法を設定する。具体的には、環境管理計画のモニタリングに関する項が提供するものは、

 

  1. モニタリング方法の具体的な説明、および詳細な技術的記述。測定されるパラメータ、使用される手法、試料採集場所、測定の頻度、検出限界(適切とされる場合)、修正行動の必要性を合図する閾の定義、を含む。
  2.  

  3. モニタリングと報告の手順。これにより(i)特別の緩和策を必要とするような状況の早期検出が保証され、(ii)緩和策の進行状況並びに結果に関する情報が提供される。

 

能力開発および研修

 

  1. 環境に関する案件項目および緩和策の、効果的かつ時宜を得た実施を支援するためには、EMPにとって、現場または省庁レベルにおける環境部の存在、役割、能力に関するEAの評価が、重要である。EA勧告を実行に移すため、EMPは、必要に応じて環境部の設置、拡張、職員研修を奨める。具体的には、EMPは、制度的な取り決めについて―緩和策およびモニタリング策(実施・救済措置・資金調達・報告・職員研修の運営、監督、制定、モニタリングのための方策、等)の責任者は誰なのか―詳しく述べる。実行責任者である機関の環境管理能力を強化するために、ほとんどのEMPは、次の付加的事項のうちから一つ以上を扱う。それは、(a)技術支援計画、(b)設備・備品の調達、または(c)組織変革、である。
  2.  

    実施日程および経費積算

     

  3. 緩和、モニタリング、能力開発といった三側面全てに対してEMPは、次の二点を明示する。(a 案件の一部として実行されなければならない方策の実施日程。ここに、段階的計画と案件全体の実施計画との調整も示される。および、(bEMPに関する初期経費および再発経費の積算と資金の調達先。これらの数値は案件全体の経費表にも統合される。
  4.  

    EMPと案件の統合

     

  5. 借入人が案件を続行するという決定、および世界銀行がそれを支援するという決定は、EMPが効果的に実施されるという期待に、幾分基づいている。従って世界銀行は、計画が、個々の緩和策・モニタリング方法・制度上の責任分担の記述に関して、具体的であることを望み、また計画は、案件全体の正確・設計・予算・実施に統合されていなければならない。その様な統合性は、EMPを案件内に設置することによって達成される。そうすることによって、計画が、他の案件項目と同様に、資金と監督を受け取ることになるからである。