BP 4.01 Annex C

 

これらの手順は世界銀行職員が使用するために作成されたもので、必ずしも主題の完全な扱いとは限らない。

 

害虫管理に関連する案件へのEAの適用

 

セクターの見直し

 

  1. タスクチーム(TT)は、農業または健康セクターの環境アセスメント(EA)が、ある一国の、害虫駆除製品の調達・取扱い・適用・廃棄を管理する能力、害虫駆除精度および殺虫剤使用による影響をモニタリングする能力、および生態学に基づいた害虫管理計画を開発・実施する能力、について評価していることを保証する。
  2.  

    案件EA

     

  3. 案件認知の段階で、TTは、提出案件が潜在的な害虫管理問題を提起する可能性があるかどうか評価する。害虫駆除製品を、環境にとって重大な分量以上に、製造・使用・廃棄する案件は、カテゴリーAに分類される。その他の害虫管理に関連する案件は、環境リスクの水準によって、ABC、またはFIに分類される。案件で使用される毒性の高い殺虫剤を、相当量輸送・保管するときには、有害性評価の実施が適切であろう。
  4.  

  5. TTは、案件構想書類(PCD)および案件情報書類(PID)中に、EAで扱われる全ての害虫駆除問題を記録する。カテゴリーA案件について、TTは、案件について次の3点を「世界銀行提出案件の業務概要月刊(MOS)」に報告する。その3点とは、(a)害虫駆除製品調達に対して直接融資が行われるのか、それとも信用貸しが行われ、それが害虫駆除製品購入に充てられる可能性があるのか(そして、何か特定の製品が、融資の対象外と指定されているかどうか)、(b)殺虫剤の使用様式を著しく変えてしまうような商品やサービスへの融資が行われるのか、および(c)害虫駆除や殺虫剤の使用に伴う、環境面および健康面への有害性削減を目指した項目―統合的害虫管理(IPM)計画の開発・実施の援助も含む―が案件に含まれているか、である。
  6.  

  7. TTは、EAが、害虫管理に関する潜在的な問題を扱い、適切な代替案や緩和策について考慮することを保証する。認知された問題によって、環境管理計画に害虫管理計画が含まれる。
  8.  

    害虫管理計画

     

  9. 害虫管理計画とは、包括的な計画で、重要な害虫管理問題が存在する時に作成される。重要な害虫管理問題とは、例えば、(a)新規土地開発、またはある地域での耕作方法の変更、(b)新しい土地への大幅な拡張、(c)新作物への農業の多角化、(d)既存の低技術システムの強化増大、(e)比較的危険な害虫駆除製品または手段の調達案、(f)環境または健康に関わる特定の問題(保護地域または重要な水生資源の近辺、労働者安全基準等)、が挙げられる。害虫管理計画は、害虫駆除製品への融資が案件の大きな項目とされている場合にも作成される。
  10.  

  11. 害虫管理計画は、OP 4.09「害虫管理」に定められている政策を反映する。計画は、人類の健康および環境への潜在的悪影響を最小限に抑えるように、また生態学に基づいたIPMを促進するように、設計される。参加型IPMの経験をもった、適切な技術専門家によって、その地方特有の条件について、現地での評価が行われ、計画は、この評価に基づく。計画の第1段階―主要な害虫問題とその内容(生態学、農業、公衆衛生、経済、または制度的な)を認知し、大まかなパラメータを定義するための最初の予備調査―は、案件準備の一環として実施され、審査において評価される。第2段階―認知された害虫問題を扱うための具体的な作業計画の作成―は、しばしば案件の一項目として実施される。害虫管理計画は、それが適当とされる場合、害虫駆除製品の審査手順を特定する。例外的な場合として、害虫管理計画が、害虫駆除製品の審査のみで成立していることがある。
  12.  

    害虫駆除製品の審査

     

  13. 案件が害虫駆除製品に対して融資を行う場合、害虫駆除製品の審査が必要である。審査によって、融資許可の下りた害虫駆除製品の正式な一覧表が、特定の製品のみが世界銀行の資金で調達されることを保証する仕組みとともに、作成される。以下に挙げる条件を全て満たす場合に限って、害虫管理計画なしの審査でも適当であるとされる。その条件とは、(a)害虫駆除製品の量が、健康または環境の見地から判断して、重大な量でない、(b)害虫駆除に関係した環境または健康に関わる問題が、ひとつも存在しない、(c)案件が、殺虫剤の使用またはその他外来の生物学的管理を地域に導入しない、もしくは殺虫剤の使用を大幅に増加しない、そして(d)危険製品に対する融資が行われていない、である。
  14.  

    審査

     

  15. 案件に関わる問題の複雑性や、人類の健康や環境に対するリスクの程度によって、審査ミッションに適切な技術を持つ専門家が同行する。
  16.  

  17. TTは、EA中および他の害虫管理に関係した案件干渉中に取り上げられた害虫管理問題について、案件審査書類(PAD)に記録する。問題例としては、

 

  1. 調達が正式に許可された害虫駆除製品の一覧、またはいつ、どのように、この一覧が作成され、承認されるのかという表示。
  2.  

  3. 既存の害虫管理実践、殺虫剤使用、殺虫剤を規制・調達・管理するための政策的・経済的・制度的・法律的枠組み、およびこれら全てがIPMアプローチと一貫している度合い。
  4.  

  5. i)既に認知されている欠点、または(iiIPM採用に関わる制約条件、を扱うことを目指した案件活動。(または並行して起こっている活動。世界銀行、あるいは他の出資者によって支援された、他の案件の活動も含まれる。)
  6.  

  7. 害虫管理または殺虫剤使用に関する案件項目を融資・実施・モニタリング・監督する仕組み。地域のNGOのために描かれた役割も含まれる。
  8.  

  9. 記述された行動の実行責任を担う機関の能力。
  10.  

  11. セクター全般の内容および問題点。案件の下では直接扱われることはないが、長期的な目標として扱われるべきもの。

 

等がある。

 

  1. 害虫管理対策の主要な要素は、借入人と世界銀行の間で取り決められる法的協定の中に示される。
  2.  

    監督および評価

     

  3. 害虫管理および審査時に確認された殺虫剤関連問題の性質や複雑性によっては、適切な技術を持つ専門家が、監督ミッションに同行する必要がある。この必要性は、監督計画の中に示される。
  4.  

  5. 実施完了報告書は、案件が支援・促進した害虫管理実践が環境に及ぼす影響、および借入人の制度的監督能力、を評価する。報告書はまた、IPMアプローチを定義する基準に照らし合わせて、案件が害虫管理実践の改善につながったかどうか、を考察する。