ロシア極東

このホームページは国際環境NGO FoE Japan発行、Josh Newell and Emma Wilson著The Russian Far East - Forests, Biodiversity Hostspots, and Industrial Developmentsの一部を(財)地球・人間環境フォーラムが日本語訳し作成たものです。

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ウラジオストック・ホットスポット会議


以下はウラジオストック・ホットスポット会議の決議の要旨である。

1995年1月26-28日の間、植物園協会 (ロシア科学アカデミー極東支部) と地球の友-ジャパンの共催によるウラジオストック・ホットスポット会議に極東ロシア全域から70名の科学者と政府関係者、環境スペシャリストが参加し、極東ロシアの自然保護優先地区("ホットスポット")を選定した。

決議

極東ロシアの保護区制度を拡充しなければならない。現行制度は、植物と動物の遺伝子遺産の保護に十分なものではなく、多くの代表的生態系に全く配慮がなされていない。極東ロシアの生態系は産業活動の脅威にさらされており、現在、持続可能性が非常に危ぶまれる状態にある。木材産業による伐採のため、森林生態系バランスの崩壊が止まない。金、銀、石炭、ダイヤモンド採掘のため河川汚染と地形変形が止まない。貴重な草原と湿地、森林の生態系が農地に変わり続けている。建設中のものも計画中のものも含めて水力発電のダム、原子力発電所、石油開発などの巨大エネルギー・プロジェクトが生態系を脅かしているだけではなく、その破壊が現に進んでいる。

以て我々は、ロシアの地方政府ならびに連邦政府に以下の措置を講ずるよう要求する :

我々はまた、外国の政府、非政府組織 (NGO) 、科学団体が連携し、ホットスポット保護に対し財政支援を行い、新しい保護区の制定を目指すロシア政府とNGO、科学団体に協力するよう要求する。我々は適宜、かかる政府と組織に、生態系の持続が可能な形で観光業と非木材製品産業の開発を促す。我々は、かかる地域において木材伐採、採掘、農業開発、石油発掘、その他の大規模エネルギー・プロジェクトを行わないよう外国企業に要請し、かつ、かかる活動を促す契機となる一切の財政支援あるいは制度上の支援を中止するよう外国政府に要請する。

決議の経過

会議の間、極東ロシア各地域の代表が下記の基準に基づいてホットスポットを選定した :

続いて会議出席者は地域別作業グループに別れ、ホットスポット選定のため、意見交換、検討に入った。この会議後に、当会議に出席できなかった各地域の専門家と合意を形成するための作業を続けた。合意形成を目指したのは、様々な分野から意志決定に参加していただいた方々の間に協調態勢を打ち出して新たな保護区の設定を目指すためである。

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