第13回環境コミュニケーション大賞
テレビ環境CM部門 受賞一覧
 
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大賞(環境大臣賞)  1点
事業者名 CMタイトル

株式会社東芝

「電球への思い」篇

 
優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  4点
事業者名 CMタイトル

社団法人ACジャパン

「リサイクルの夢」

株式会社日立製作所

環境キャンペーン「スマートグリッド篇」

三井物産株式会社

三井物産の森 カルガモ篇

ユニ・チャーム株式会社

ムーニーマンスリムパンツ カーボンオフセットキャンペーン

 
 
 
 
第13回環境コミュニケーション大賞 テレビ環境CM部門 講評
 
大賞(環境大臣賞)
株式会社 東芝 『電球への思い篇』

「電球への思いは強い。でも、地球への思いは、もっと強かった」。
このメッセージとシンプルな電球の映像が印象的なCMである。自社の環境製品を告知する、あるいは、自社が行っている環境活動を紹介するタイプのCMは多い。しかし、本CMは、東芝が、どこよりも早く白熱電球の生産中止を決断した理由を、「地球への思い」が強いことだけでなく、日本で「いちばん最初に電球をつくった会社として、つくらないという決断も、いちばんに」と告げている。そう、冒頭に掲げたメッセージで、効いているのは、実は、「電球への思いは強い」という部分なのだ。企業が、自らの歴史に深く刻まれた製品を捨てるー企業の社会的責任を果たすために。このことが視聴者の強い共感を呼び、東芝の企業ブランドを高める。環境CMとしてだけでなく、企業広告としても、優れた作品と言えよう。

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優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

社団法人ACジャパン 『リサイクルの夢』

空き缶やペットボトルという身近なものが、子供のあこがれである新幹線やその乗務員の制服にリサイクルされるという夢と飛躍性のあるストーリー展開が、身近な環境問題に取り組むことに対する前向きな広がりを感じさせる。映像展開、ストーリーも引きつけるものがあり、老若男女誰が見ても飽きない。なおかつ、リサイクルに関する知識や可能性も、ソフトなトーンで分かりやすく伝えている。リサイクルについての意識啓発や取り組み行動を促すためのメッセージがよく伝わる、ACジャパンらしい作品である。

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株式会社日立製作所 『環境キャンペーン「スマートグリッド篇」』

スマートグリッド。また一つ新しい環境用語が登場した。IT技術を使って様々な発電システムと電力需要を効率よく組み合わせる次世代型の電力網のことだが、日立製作所はこのネタを、一社提供番組「世界ふしぎ発見!」の中でオンエアする120秒のオモシロCMに仕立て上げた。タレント・佐藤浩市さんが、どこからともなく聞こえてくる番組司会者・草野仁さんの声によってクイズの世界に巻き込まれていくが、CMは各60秒の前編と後編に分かれており、次のCMタイムを心待ちにさせるという仕掛け。「スマートグリッド」を正解できなかった佐藤さんは、番組ネタである「ボッシュート」の一声でワインを没収されてしまうという番組CMならではのオチも。
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三井物産株式会社 『三井物産の森 カルガモ篇』

 林業という一般の人になじみにくい分野にどう親しみを持たせるかには工夫がいる。三井物産のカルガモ池から、カルガモの親が7匹の子ガモを連れ、森の中を歩き回り、森の水や空気や動植物にふれさせ、森の大切さを感知させるというストーリーは成功している。
 カルガモ親子はCGであるが、その違和感がなく、途中で登場する本物のエゾリスにも森の豊かさを感じさせる。
 ただ、画面の楽しさに引き込まれ、森林管理の大切さ、生物多様性の宝庫としての森の存在に、親子の環境教室や植林以外の訴え方はなかったか。具体例としての「三井物産の森」も、どの森のことかを、テロップででも示してほしかった。

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ユニ・チャーム株式会社 『ムーニーマンスリムパンツ カーボンオフセットキャンペーン』

「赤ちゃんの未来のためにできるエコ」は母親へのすごい殺し文句。「その笑顔にありがとう」というフレーズだけで、エゴママからエコママへ大変身。オムツは使い捨て商品の代表格だけに、スリム化し環境負荷を下げた紙おむつで利便性も追及できる。その上カーボン・オフセットもできるなら、エコママも増えるかもしれない。エコ・プロダクツはゼロ歳から。オムツの向こうに地球が見えた!!

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