第12回環境コミュニケーション大賞
テレビ環境CM部門 受賞一覧
 
CMタイトルをクリックすると講評を見ることができます。
 
大賞(環境大臣賞)  1点
事業者名 CMタイトル

住友林業株式会社

きこりんの森シリーズ
「木の精きこりん」篇、 「きこりんの木の家」篇、 「おいしい水」篇、
「ゆたかな海」篇、 「醍醐寺の桜」篇

 
優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  4点
事業者名 CMタイトル

イオン株式会社

温暖化にブレーキを(マレーシア)篇(英語版/日本語版)

社団法人公共広告機構

エコライバルになろう

大和ハウス工業株式会社

xevo「エコバッグ篇」

マツダ株式会社

デミオシリーズ
 「デミオとスニーカーと僕」篇、 「デミオと自転車と私」篇

 
 
 
 
第12回環境コミュニケーション大賞 テレビ環境CM部門 講評
 
大賞(環境大臣賞)
住友林業株式会社『きこりんの森シリーズ』

住友林業の環境CMで登場している「木の精きこりん」、今回は5本のバリエーションになって登場。日本の森を守り、国産材で家づくりをすることの環境の持続可能性への意味についてわかりやすく訴えている。森づくりの大切さ、森に降った雨が川となって海に流れ、森が健康で豊かだと、海も豊かで、海の生物(魚達)を豊かにはぐくむといった、地球環境問題で重要なポイントをとくに"ゆたかな海"篇などで説明している。山や海の動物達ときこりんとの交流の映像もよく出来ており、違和感なく楽しめる。
住友林業の環境・社会報告書 2008によると国産材使用率は現在51%(主要構造材)で、70%を目ざしているという。今後の日本の持続可能性と雇用の促進のため森から造っていくという同社のビジョンに多くの共鳴が集まった。

>>受賞一覧へ
優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

イオン株式会社『温暖化にブレーキを(マレーシア)篇(英語版/日本語版)』

2008年は食品偽装・環境偽装の風が吹き荒れた一年であった。善意ある企業にとっては厄年であったろう。昨今話題の排出権取引やカーボンオフセットもその類であり、CDM(クリーン開発メカニズム)や植林に対しても疑惑の目が向けられている。それを知ってか知らぬが、このテレビCMはこの「偽装」を払拭させる作品である。2004年マレーシアの荒地に植林を始めてから、2005年、2006年と2008年までの4年間にわたる定点観測によって毎年の記録を映像にした単純なものであるが、まさに温暖化防止への愚直なまでの真摯な取り組みが一目瞭然の作品である。そこには偽装は存在せず、真実のみがある佳作である。
>>受賞一覧へ

社団法人公共広告機構『エコライバルになろう』

「環境問題」という国境のない問題に、日韓が国境を越えて取り組む姿勢がよい。タレントにも好感が持てる。社団法人公共広告機構の前身となる関西公共広告機構が誕生したのは1971年のことだという。恐らく当時は、「環境問題」がこれほどまでに公共広告の重要なテーマになるとは誰一人想像することもできなかったであろう。しかし今や、温暖化をはじめとする「環境問題」への対応は待ったなし。ひとりでも多くの人の環境意識を啓発し、環境行動を喚起することは、あらゆるメディア、あらゆるコミュニケーションの最も重要なテーマとなるべきであり、一企業の広告の限界を超えた、公共広告機構ならではの「環境行動を喚起する力」のあるTV-CMに、今後とも期待したい。

>>受賞一覧へ

大和ハウス工業株式会社『xevo「エコバッグ篇」』

大切なことはわかっている。でも、いま一つリアリティがない『CO2の削減量』。1本当り年間11kgのCO2を吸収してくれるブナの木に例えて表現したことで、メッセージが明確になった。
外張り断熱通気外壁を特長とする「xevo(ジーヴォ)」が、住むだけでCO2排出を減らす家であることが効果的に伝わってくる。また、自社の製品とは関係のない「エコバッグ」によるCO2削減も木に例えている。一人ひとりの日常の小さな取り組みを応援する同社の姿勢に、好感が持てる。
親しみやすくほのぼのとしたイメージの永作博美さんを使ったキャスティングもGOOD。女性が買い物をしている間に、男性が料理を作っている役割分担にも、サステナビリティが感じられる。

>>受賞一覧へ

マツダ株式会社『デミオシリーズ 「デミオとスニーカーと僕」篇、 「デミオと自転車と私」篇』

世界の四輪自動車生産は7000万台を超えている。地球温暖化ガス削減のために必死にエコカーへの切り替えを進めているが、企業存続のために生産台数は確保しなければならない。すなわち世界中の自動車産業は今後も数千万台のクルマを生産&販売し続けなければならない、という環境問題として解決困難な前提の中でつくられるクルマの環境CMは、極めて難しい与件を与えられている。
このマツダデミオのCMは、クルマ自体のエコ化だけでなく、クルマ保有者のライフスタイルのエコ化を巧みにアピールしている。『スニーカー』篇、『自転車』篇の優劣を言う必要はない。ゆえにシリーズ広告として、評価した。

>>受賞一覧へ