第10回 環境コミュニケーション大賞

環境活動レポート部門

受 賞 一 覧

 

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大賞(環境大臣賞)  1点

事 業 所 名

環境活動レポートタイトル

(株)ディグ エコアクション21環境活動レポート2005

優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  4

事 業 所 名

環境活動レポートタイトル

石川県立大聖寺高等学校 SEP聖高エコプロジェクト(世界一エコな学校をめざして)
一宮生活協同組合 環境活動レポート 2005年度報告
(株)マルト (株)マルト 環境活動レポート2006
山口県立大学 山口県立大学 環境報告書2006


第10回環境コミュニケーション大賞 環境活動レポート部門 講評

 

大賞(環境大臣賞)

 

株式会社ディグ 「エコアクション21環境活動レポート2005

 50人規模の印刷業の地道な環境活動の取組みだが現場の臨場感が伝わる優れた小冊子である。環境目標の設定では工場のワークフロー図(印刷工程)の中に環境負荷項目を解かり易く示し「データ化できないものは評価もできない」を合言葉に化学物質排出量の統計化空調温度1℃の差と電力消費量の把握社有車一台毎の燃費の結果廃棄物の分別とリサイクル量の把握を行い定量的な環境目標を設定している。例えばエレベータの電力削減では1ヶ月間のエレベータの作動回数を把握し1回の動作の電力量5Wh(メーカ値)から目標値を定めている。私たちの環境活動「ドキュメント360日」では現場の毎月の環境への取組みを写真や図表で解かり易く説明している。地道な努力を裏付ける数値データの把握とその解析データに基づく環境負荷削減の手順化の「よい見本」である。次回は地域社会との協調の状況が記載されているとよい。

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優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

 

石川県立大聖寺高等学校 「SEP聖高エコプロジェクト(世界一エコな学校をめざして)

 活動報告書には、当該事業所(学校)における環境活動の状況が図表や写真を利用して大変分かりやすくまとめられている。報告書の構成は、学校の概要等を記載した「はじめに」から始まり、環境方針、二酸化炭素排出量等の環境負荷の現状、環境目標の設定、環境行動計画に沿った活動の実施状況、環境研修(教職員と生徒が対象)活動結果の評価などが取りまとめられており、環境目標とその実績に関しては設定目標に対しての達成状況や到達度が数値で明示され、評価されている。事業所特性である教育機関として、授業での環境教育の実践や、特に英語教育と環境活動との融合はすばらしいし、地域でのボランティア活動等の多様な取組みも紹介されている。課題点は環境法令の適用状況に関する記述が見当たらないこと、内部監査の活動状況が明示的でないこと等が挙げられる。しかし総体的には、学校生徒と教職員のきめ細かな実績が体系的に網羅されており、活動レポートとして高い評価が与えられる。

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一宮生活協同組合 「環境活動レポート 2005年度報告

 EA21の「環境活動レポート」の必須記述項目を満足した上で、A4で6枚(表紙含む)とコンパクトにまとめ、見やすく、読者が容易に理解できるよう読ませる工夫がされている。中小規模事業者の「環境活動レポート」の一つの「ひな型」にもなる。当組織は、実務組織とEA21の組織を融合させた図でわかりやすく表現している。目標・実績と課題はブロック別に記述し、データ表、グラフを使用し全体像を把握しやすくしている。

 環境方針を受けて、事業活動、商品、組織が影響を及ぼせる「くらし、子供、地域など」幅広く対象にした具体的なテーマが取り上げられている。今後の取組として、商品に関する取組に一層の注力がほしい。本業の商品(食品系)の期限切れ又は破損から生じる廃棄物削減も重要であろう。

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株式会社マルト 「環境活動レポート2006

 「企業から樹業」の理念を掲げて森林の伐採から製材建築までの一環したプロセスの中で環境への取組みを行っている。企業の環境コンセプト「百年の計では足りません」が強い印象で伝わってくる小冊子である。従業員19人の小企業で毎年このようなコンパクトではあるがハイレベルの報告書を作成するというのは敬服に値する。今回は山で伐採した材木に出生・加工履歴を記した手作りのラベルを貼り住宅材パレット材筆箱などの製品情報に追加情報として提供をはじめている。また材木の産地から消費地までの距離からその材木の輸送時の二酸化炭素排出量を算出する「ウッドマイレージ二酸化炭素」の試みを地元の木材と輸入材とで比較を行い県産品の木材の環境貢献度を評価している。また合板類の廃棄物削減の目標が未達成となった理由として「捨てる部分が少ない大きさ量で発注」とする計画では「自分の会社から出るゴミが少なければよい」という身勝手な目標設定だったと評価している。今後のLCA的なアプローチの取組みに期待したい。

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山口県立大学 「山口県立大学 環境報告書2006

 「環境活動レポート」は、A4で29枚と分厚い。当報告書23ページまでの「環境活動」の紹介は、受験生である高校生が読むと、当大学が環境配慮型であることが読み取れ、受験者増加に寄与するかもしれない。中小の組織を主な対象としているEA21の「環境活動レポート」としてはボリュームがありすぎるが国立大学法人には環境報告書が義務付けされていることとを考えれば妥当な範囲といってよい。EA21の対象範囲に「学生」を正式の対象範囲にしているところは評価できる。当大学では、各学部の基礎教育及び専門教育の中で環境教育が取り入れられている。社会貢献活動においても、大学の特徴を生かした活動がされている。運用期間が短いためかH18年度の目標はあるが、実績は明確でないことが今後の課題である。また、チェック、監査実績も明確にすることと、教育、研究分野の目標の定量化が望ましい。

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