
北海道では、望ましい環境像として「環境への負荷の少ない持続可能な社会『環境保全型社会』」を掲げ、そのための道民一人ひとりに望まれる行動の道しるべとして本指針を策定している。基本指針として「環境に優しいライフスタイルの定着化」「環境に配慮した事業活動や公共事業などの展開」「道民、事業者の参加・実践を支える仕組みづくり」を掲げ、道民、事業者、行政の三者の果たすべき役割を総合的に示した。
 
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北海道地球環境保全行動指針(アジェンダ21北海道)〜地球のために私たちができること |
 
 
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・地球環境問題の解決に向けた各国の合意と、地域における環境保全活動の実践の重要性
・従来の規制を中心とした環境保全施策に加えて、自発的な環境への配慮を誘導していくことの重要性の高まり −を背景に持続可能な社会の実現に向け、地域において講ずべき環境施策の方向と行動計画を定めた指針を定め、道民、事業者、行政が一体となって地球環境問題に取り組むこととした。
・庁内―地球環境保全行動指針等庁内策定検討会(庁内13部局の代表企画担当係長をメンバーとするワーキンググループ
平成7(1995)年7月発足)による検討 ・環境保全行動団体事業者(501団体の環境保全活動団体と404団体の事業者団体を対象)に対するアンケート調査を行い(平成7(1995)年12月〜平成8(1996)年1月実施)、具体的アイディアを募集しrローカルアジェンダ21の中にワンポイントアドバイトとして盛り込む
・球環境保全行動指針策定協議会(経済界、行政機関等の代表、有識者から構成される24名で構成 平成7(1995)年11月発足)による検討
−を経て策定。
策定の手法(図)
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・策定時の市民参加
北海道地球環境保全行動指針の策定に当たり、各地域において環境保全活動に先駆的に取り組んでいる団体や、事業活動を通じて地域社会を交えている団体など、道民や事業者に広くアイディアや意見を求めるとともに、学識経験者や各種業界団体から構成される協議会を設置し意見を伺うなど、広く道民の方々の意見を反映するよう努めた。
・実施における市民参加
一般市民向けに地球環境問題に関する講演会を催した。
平成8,9年度 |
「地球環境フォーラム」の開催(各年2ケ所開催) |
事業者向けには企業が取り組むべき問題について以下のような事業を行った。
平成10年度 |
「環境チャレンジ企業モデル事業」(23企業参加) |

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「環境道民会議」(60団体で組織)
「地球温暖化防止対策推進事業者会議」(毎年1ケ所で開催) |
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平成8,9年度
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120名〜200名程度 |
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平成8,9年度
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事業者会議で150名程度 |
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例えば「環境道民会議」は、以下のような団体の代表、会長、所長等を含んでいる。
・循環(くるくる)ネットワーク北海道
・(社)鋼材倶楽部北海道地区運営委員会
・札幌市女性団体連絡協議会
・日本チェーンストア協会北海道支部
・(財)日本野鳥の会札幌支部
・(財)北海道環境財団
・(社)北海道産業廃棄物協会
・北海道指導漁業協同組合連合会
・(社)北海道バス協会
・北海道百貨店協会
・北海道ボランティア・レンジャー協議会
・北海道木材協会
・北海道容器商業協同組合
・北海道林業協会
・(財)北海道老人倶楽部連合会
・札幌市 ・北海道 など |
 
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環境に配慮した行動に向けた3つの基本的視点として
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1.環境にやさしいライフスタイルの定着化
2.環境に配慮した事業活動や公共事業などの展開
3.道民、事業者の参加・実践を支える仕組みづくり |
を掲げ、それぞれについて行動メニューを定め、家庭やオフィスでの行動の指針としている。対象期間は定めていない(p.33図9参照)。
リーディング事業−行動メニューとして、次の8項目を揚げている。
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○省エネルギー・新エネルギー
○省資源・資源リサイクル
○水資源や水環境の保全
○大気環境の保全
○自然環境の保全と身近なみどりづくり
○廃棄物の適正な処理
○環境学習、環境保全活動への参加
○国際協力の推進 |
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環境保全活動事業者団体に対するアンケート調査を行い、その結果の一部を「みなさんからのワンポイントアイディア」として、冊子にわかりやすく取組事例を掲載している。 |
 
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「第2章 環境保全のための行動指針」の中で地球環境問題を9つに大別し、望まれる行動をメニューとして道民・事業者、行政のそれぞれに具体的に示している。
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第2章 環境保全のための行動指針
行動指針のメニューと地球環境問題
@地球の温暖化
Aオゾン層の破壊
B酸性雨(雪)
C有害廃棄物の国境を越えた移動
D海洋汚染
E野生生物種の減少
F熱帯林の減少
G砂漠化
H開発途上国の公害問題
基本的視点1 環境にやさしいライフスタイルの定着化
基本的視点2 環境に配慮した事業活動や鋼業事業などの展開
基本的視点3 道民、事業者の参加・実践を支える仕組みづくり |
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例えば環境に優しいライフスタイルの定着化の行動メニューの一つとして、「自然環境の保全と身近なみどりづくり」を挙げ、北海道の自然資源の動向を紹介し、自然環境への配慮を謳っている。行政行動の中では「森林を活用した自然とのふれあいの場づくり」等を挙げている。
また、水資源や大気保全も行動メニューとしてとりあげられている。
基本的視点2「環境に配慮した事業活動や公共事業などの展開」の中では、「ごみの減量化とリサイクル社会の確立」「交通や物流システムの改善」「水質や大気の一層の保全」「自然環境の保全と創造」などがあげられている。 |
 
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基本視点2「環境に配慮した事業活動や公共事業などの展開」の中で、「環境と調和した産業の展開」を挙げ、北海道の基幹産業である農林水産業、また観光などが環境に与える影響についての配慮を挙げている。ここでは、事業者に望まれる産業活動として、農業分野では「クリーン農業の推進」「農業用廃プラスチックの適正な処理」「自然環境に配慮した用排水路などの整備・管理」、「家畜糞尿等の適正な処理や利用」などを挙げ、林業については、「伐採林齢の多様化・長期化、複層林への誘導」「広葉樹林の育成や改良」「間伐材の利用促進」「木材製品の耐久化や再利用等による森林資源の有効活用」を挙げている。
また、省エネルギー型住宅(北方型住宅)の導入や、石油代替エネルギーの利用として低温倉庫等への利雪をあげている。
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「北海道環境基本計画」の中には定量的目標を盛り込んであるが、ローカルアジェンダ21は行動指針をまとめたものであり数値目標を設定していない。 |
 
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北海道の環境政策の基本である「北海道環境基本計画」(平成10(1998年3月策定)において、「地球環境の保全に地域から取り組み循環型社会の実現」を長期目標の一つとして揚げており、この中で、本指針を活用した地球環境保全対策の推進を図ることとしている。 |
 
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現在、普及啓発用として、各種環境関連行事、市町村などに窓口で活用されている。 |
 
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「北海道地球環境保全行動指針」の策定後は、フォーラム、会議等の開催により、周知を図ってきたが、さらに効果的に広めていく手段を検討したい。
このため、平成10年9月に、北海道の良好な環境を保全し、快適な環境を維持・創造することにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な環境重視型の社会をつくることをめざして、道民、事業者及び行政が相互の連携のもとで、環境保全活動を推進するため、環境道民会議を設置し、全道的な展開を図ることとしている。 |
 
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北海道環境生活部環境室環境政策課保全係
〒060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目
TEL:011-231-4111 内24-217 FAX:011-232-1793
http://www.pref.hokkaido.jp |
北海道地球環境保全行動指針の概要
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