第13回環境コミュニケーション大賞
環境報告書部門 受賞一覧
 
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環境報告大賞(環境大臣賞)  1点
事業者名 報告書タイトル
株式会社東芝

東芝グループ環境報告
(環境レポート2009/CSR報告書2009/社会貢献活動レポート2009)

 
持続可能性報告大賞(環境大臣賞)  1点
事業者名 報告書タイトル
株式会社リコー リコーグループサステナビリティレポート2009
(環境経営報告書/社会的責任経営報告書/アニュアル・レポート)
 
地球温暖化対策報告大賞(環境大臣賞)  1点
事業者名 報告書タイトル
株式会社 INAX INAX Corporate Report 2009
 
環境報告優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  4点
事業者名 報告書タイトル
コクヨ株式会社 コクヨグループCSR報告書2009
株式会社損害保険ジャパン 損保ジャパングループCSRコミュニケーションレポート2009
南海電気鉄道株式会社 南海電鉄CSR報告書2009
パナソニック株式会社 社会・環境報告2009−e報告書−/パナソニックグループ エコアイディアレポート2009/エコアイディアレポート2009データ集
 
持続可能性報告優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  4点
事業者名 報告書タイトル
味の素株式会社 味の素グループ 環境報告書2009/味の素グループ CSRレポート2009
積水化学工業株式会社 CSRレポート2009
帝人株式会社 2009年 帝人グループ CSR報告書
富士ゼロックス株式会社 Sustainability Report 2009
 
生物多様性報告特別優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)
該当なし
 
環境金融報告特別優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞) 1点
事業者名 報告書タイトル
株式会社滋賀銀行 SHIGA BANK CSR リポート2009 未来をみつめて。
 
信頼性報告特別優秀賞(サステナビリティ情報審査協会会長賞) 1点
事業者名 報告書タイトル
帝人株式会社 2009年 帝人グループ CSR報告書
 
奨励賞  3点
事業者名 報告書タイトル
埼玉日本電気株式会社 環境アニュアルレポート2009
三洋商事株式会社 三洋商事CSR報告書2009
シャープ株式会社 三重工場 シャープ株式会社 三重工場 環境・社会貢献活動情報誌
 
環境配慮促進法特定事業者賞  1点
事業者名 報告書タイトル

国立大学法人三重大学

「環境先進大学」の社会的責任(USR)を果たすために
三重大学環境報告書2009

 
 
環境報告書部門一次選考通過作品一覧
 
 
第13回環境コミュニケーション大賞 環境報告書部門 講評
 
環境報告大賞(環境大臣賞)
株式会社東芝
「東芝グループ環境報告」 (環境レポート2009/CSR報告書2009/社会貢献活動レポート2009)
東芝グループとしての環境・CSR報告を三つの冊子に纏め上げ、環境ビジョン2050を中心にグループの目指す方向とバックキャストでの中期目標・実績が豊富な情報量で記載されている。また「社会貢献レポート」については、和文/英文で表現され、グローバルな面を強調する工夫がなされている。2050年ビジョンを掲げさまざまな取り組みをおこなっていることは高く評価できる。地球温暖化防止に関しては、エコプロセスやエコプロダクツ提供によるCO2排出量において、中長期(2012年、2025年)の目標を掲げている。更に原子力発電や、二酸化炭素の分離回収技術(CCS)、太陽光発電、新型二次電池(SCiB)、さらにLED新照明などの注力事業が充実しており、技術イノベーション面でも評価できる。生物多様性についての具体的な取り組みはまだこれからの面も多いが、「取り組み方針」としてその意思を示している。環境レポートでは「環境効率」(ファクターT)の概念を取り入れるなど、斬新的な試みがなされている(但し、「QFDマトリクス」は「QFDEマトリクス」で描けば更によくなる)。CSR報告でも温暖化対策を中心に綿密にマテリアリティの検討がされ、考え方や取り組みの概要等が豊富に報告されている。企業変革と言うイノベーション情報など今一歩踏み込んだ情報開示やコミュニケーションにより、更に読者の理解が深まると考える。
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持続可能性報告大賞(環境大臣賞)
株式会社リコー
「リコーグループサステナビリティレポート2009」
(環境経営報告書/社会的責任経営報告書/アニュアル・レポート)
「2050年長期環境ビジョン」を表明し、世界で初めて「省エネ」「省資源」「汚染予防」の3分野で2050年の環境負荷削減目標を設定しているのみならず、その目標設定方法を明らかにし、さらにかかる3分野についての中長期環境負荷削減目標と到達戦略や主たる活動について明確に説明している点が大変優れており、他の企業の手本になる開示方法である。そのほか、事業活動および製品における同社グループの環境活動、EMSについての情報開示も極めて充実しており、同社の取り組みの詳細が分かるレポートになっていると高く評価できる。生物多様性保全の重要性を深く理解し、グループ共有の生物多様性方針を掲げ、事業活動および社会貢献活動の両面で活動を実施しており、それらについて図解や写真を用いて分かりやすく説明している。また、従業員に周知するための取組みに力を入れており、理解を促すための小冊子は特に秀逸であり、その先進的な試みはすばらしい。会社全体で取り組んでいることが明白である。
ベースはB to B 企業ではあるが、ステークホルダーとのパートナーシップの形成について、ステークホルダーダイアログやエンゲージメントにかかる記述をより充実させることを期待したい。
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地球温暖化対策報告大賞(環境大臣賞)
株式会社 INAX
「INAX Corporate Report 2009」

コーポレートレポートとして発行しており、前半はブランドトピックスページ編として読みやすく縦書きで個別の事例や有識者の意見を紹介し、後半はデータページ編として事業活動の概要を数値を交えて報告している。
GHG排出量はグループとして1990年度比27.9%を達成しており、2050年に80%削減の目標設定をするなど意欲的な取組をされている。報告書内での取扱いが小さいのは自社にとっては日常業務の中にはいってきているのかもしれないが、このような取組みを他社や消費者等に促すためにも目標に対するアクションプランや、技術革新だけでなく事業イノベーションなどをもっと詳細に伝えられることを期待したい。
有識者や従業員の声を紹介するとともに、昨年のレポートに対する意見への対応もていねいに記述していることも評価できる。

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環境報告優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

コクヨ株式会社
「コクヨグループCSR報告書2009」

トップ会談、エコライブオフィス品川、エコバツマークなどから同社が業態を通じた取り組みをしているとともに、外への環境配慮商品や仕事の仕方の提案をしていることがよくわかるものになっている。フラッグシップオフィスはすばらしいのでビジネスの具体的な目標にされることを期待したい。四万十のプロジェクトおよび琵琶湖のヨシを使った商品開発における生物多様性の取り組みも評価したい。また、「見える化」に取り組んでいることで、従業員の意識改革に大きく寄与しているだろうと思われ、環境に配慮した取り組みというものが商品・部品・仕事の仕方・時間の使い方など様々あるものだと改めて認識させてくれる。地球温暖化防止に向けた大幅なCO2削減の取り組み、その他社会面を含めたデータの充実が求められる。
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株式会社損害保険ジャパン
「損保ジャパングループ CSRコミュニケーションレポート2009」

金融業界のなかで長期的視点に立った経営戦略とその報告内容が秀でている。多様なリスクを引き受けるという本来業務からすれば、CSR「4つの重点課題」として気候変動における「適応と緩和」を掲げるのは当然であろうが、自社業務における2020年と2050年のCO2排出量削減の明確な数値目標(総量)を公表していることは評価に値する(トップコミットメントにて明言)。
国際的なエンゲージメントも踏まえたサステナビリティに対するコミットメントも評価できるので、取り組みの深化を期待したい。多様な視点からの環境金融商品の開発も評価できるが、現在の取組の説明に加え将来的な商品比率の目標などがあれば、より良い報告書となろう。

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南海電気鉄道株式会社
「南海電鉄CSR報告書2009」

多くの鉄道会社が鉄道と安全報告にのみ偏った報告なのに比し、バランスよく事業全般について報告していることが評価される。生物多様性を取り上げたトップ対談や、南海グループの「みさき公園」イルカ館を事例とした「生物多様性の保全」の特集は、ユニークで、高く評価できる。また気候変動に関し、短期目標ではグループ3社で総量3%削減を、さらに2020年までの中期目標では1990年度比原単位15%以上を掲げ、積極的に取り組んでいる。環境方針・中期目標から具体的取り組みへ記載の展開方法に関して、自社が何を目指しどのように取り組んでいるのかが読者に伝わりやすい。2008年度実績および2009年度の重点施策についても一覧表で示し、全体像を把握しやすい。大阪府との「グリーンパートナー協定」や鉄道利用者・沿線住民との交流などが様々なパートナーシップが取り上げられているが、加えて、環境活動(の方向性)についてステークホルダーと話し合うなど一歩進んだコミュニケーションを期待したい。
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パナソニック株式会社
「社会・環境報告2009−e報告書−/パナソニックグループ エコアイディアレポート2009/エコアイディアレポート2009 データ集 」

社会・環境報告として、用途に応じた三つの冊子ツールが提示されている。エコアイディアの「商品」「モノづくり」「ひろげる」が環境報告の中心で、特に生産でのCO2削減や社員発案のグローバルエコプロジェクト「エコリレー」などからも、グローバル企業としての海外を含めた活動の推進が伺える。エコリレーの特集では各国それぞれでボトムアップの取り組みが広がっている様子も好感が持てる内容となっている。ただ、日本でもっとも早くバックキャスティングの考え方を入れた報告書を作成した企業だったのが、この版ではその面がよみとれないのは少し残念である。
社会性報告についても、グローバルなCSRを展開していることや、労働安全、品質、リスクマネジメント、セキュリティ等、幅広い内容になっていることが特徴である。
報告ページは淡々とした文字の多い構成でメッセージが少し読者に伝わりにくいので、伝える工夫を更にすればより効果的である。

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持続可能性報告優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

味の素株式会社
「味の素グループ 環境報告書2009/味の素グループ CSRレポート2009」

重要環境課題として「低炭素社会の実現」「生態系・生物多様性の保全」「資源循環型社会の実現」の3つをあげて活動をしていることと、ライフサイクル全体に事業活動の視野を拡げた「エコビジネスモデル」の構築を目指し環境活動を行っていることに、持続可能な環境と社会の実現への強い意欲を感じる。
CSR活動を推進していく上での目指すべき姿である「CSRビジョン」がまず提示され、それをさらに具体化した5つの「2020年のCSR達成像」が述べられており、味の素グループとしてのCSRの形が明確になっている。5つの「2020年のCSR達成像」は、「食」「健康・医薬」「食資源・環境」「人材育成」「パートナーシップ・コミュニケーション」と事業活動との強い整合性があること、その達成像へ近づくためにテーマと内容を「CSR総合戦略」として掲げ活動を行っており、本業を通じて誠実に企業社会責任を果たしていくことへの気概を感じさせる。マテリアリティも明確で、見易さ、情報量、質共に優れており、重要な情報については「Highlight」としてピックアップされていること、さらに詳細な情報が掲載されているWebサイトへのリンクが丁寧に説明されていることに情報公開への意識と読者への配慮が感じられる。
食に関る企業として「生態系・生物多様性の保全」が解決すべき重要環境課題の1つとしてあげられており、さまざまな取り組みがなされている。また、「持続可能な原材料調達に向けた農畜水産産業との連携・支援」をCSR総合戦略テーマとしてあげられており、再生可能資源の持続可能な生産や利用について配慮が示されている。第三者意見として生物多様性の専門家による評価を掲載していることも「生態系・生物多様性の保全」が環境取り組みの中で重要な位置を占めていることを感じさせる。

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積水化学工業株式会社
「CSRレポート2009」

自社のCSR経営を、「環境」「CS品質」「人材」という3つの際立ちと、その基盤となるコンプライアンスなどの3つの誠実さとして明確にしている。新たに策定された2013年度までの中期経営計画にも、それぞれ目標や、目指すレベルが示されており、事業活動と不可分な活動として取り組んでいることが伺えると共に、環境に関しては2030年に目指すべき長期ビジョンも明確にされている。取組み面も見るべき内容が多い。いくつか例をあげると、環境面では環境貢献製品の売上比率を2013年に40%にするという目標設定や、各事業部の省エネ投資をコーポレートが支援する「CO2排出量削減設備投資促進策」などがある。従業員関連は「人材」が重点の1つとして挙げられており、例年充実した記載となっており、新卒女性採用比率30%という目標設定とその達成などが挙げられる。さらに、各分野での定量情報の開示や指標の策定を積極的に行い、その正確性、網羅性について外部機関の検証を受けることで、報告書の信頼性確保にも努めている。今後は、トップコミットメントにもある「グローバル」での取り組み、「社会の課題」の解決などさらなる活動の進化が期待される。
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帝人株式会社
「2009年 帝人グループ CSR報告書」

環境、安全、社会性報告のなかで、重要なテーマが取り上げられ、データとともに、取り組みの内容や当年度の進捗が丁寧に報告されている。毎年、継続して報告される活動テーマであっても、活動の全体像と当年度になにをしたのかがきちんと説明されているので、毎年、継続して読んでいる読者にとっては、帝人のCSR活動が着実にすすんでいるかどうかを評価できるものとなっている。過去のことだけでなくCO2についての2020年削減目標と具体的戦略をかかげていることも評価できる。CSRイノベーションとして新しいビジネスモデルの創出推進をかかげていることはすばらしいので是非目標に取り入れてもらいたい。
また、帝人のCSR報告書では、製造所での事故や社内調査で確認した違反事案、ホットラインへの相談・通報内容の内訳など、マイナス情報も開示されている。仕組みの説明に留まらず、仕組みが実際に運用されているかどうかも説明されている点は、透明性の高い情報開示として評価される。 パフォーマンス指標の開示に関しては、環境パフォーマンス、安全パフォーマンス、社会性パフォーマンスともに海外グループ会社を含むグローバルで把握・開示されている点は評価できよう。
人財データは単年度実績値のみの開示であり、データのトレンドは過年度報告書と並べて読まないと分からないため、今後も同様の指標を継続して開示されることを期待する。また、第三者意見で指摘されているように、経営構造改革による雇用への影響をどうマネジメントし、説明していくのかもCSRの課題のひとつであり、次年度以降の報告書での重要なテーマでありうると思われる。
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富士ゼロックス株式会社
Sustainability Report 2009

トップコミットメントの内容が他の報告書と比較して突出して優れている。社長が、サステナビリティに対する基本姿勢や、2008年度の活動実績とその評価、周囲のステークホルダーをどのようにとらえているのか、2009年度に何を達成するのかを明確に語っている。
その上で、具体的な課題についてCSR指標を設定して進捗状況を報告するとともに、個別の事例についても報告をしているのは評価できる。ただしCSR指標は、直近の年度については実績だけでなく目標値も記載されているとなおよい。
グローバル企業として日本以外の情報もおおく、海外での従業員教育や資源循環システムの構築等の情報も高く評価できる。
本誌にはCSR課題についての考え方を記載し、詳細なデータはウェブに掲載するなど、媒体の使い分けも工夫されている。社内外のステークホルダーの声も豊富に記載されていることも評価できる。

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環境金融報告特別優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

株式会社滋賀銀行
「SHIGA BANK CSRリポート2009 未来をみつめて。」

早い時期から地方銀行として地域特性を反映した環境経営に先進的に取り組み、特に「お金の流れで地球環境を守る」という考え方とトップコミットメントは明確かつ的確である。環境経営について銀行業界への影響力もあることから、高く評価できる。また、本邦金融機関として先駆的に自ら多様な環境金融商品を開発するとともに、販売会社としても豊富なラインアップを揃えている点が評価できる。
環境報告書は過去の取り組みもさることながら将来への取り組みが重視されるようになってきていることから、中長期の環境取組ビジョン、目標等の策定でも金融業でのパイオニアになられることを期待したい。
報告書の頁数も少なく構成や記述はコンパクトでありながら、行間に金融業としての想いが込められており、とても読みやすい。ただし、もう少し詳しく知りたい読者のために、WEBとの併用を多用すると、より効果的になろう。

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信頼性報告特別優秀賞(サステナビリティ情報審査協会会長賞)

帝人株式会社
「2009年 帝人グループ CSR報告書」

環境・CSR報告に求められる基本的な構造を備え、記載データの範囲は原則として国内外のグループ全体を網羅している。データ範囲の限定や計算方法の変更についても誠実に説明されており、情報開示としての客観性を高めるための努力が窺われる。1998年度版から他社に先駆けて第三者審査を受けており、審査の対象範囲は環境及び社会性に関する実績指標全般を網羅している。さらに、第三者審査に加えて外部専門家4名から各テーマに関する取組みについて意見を求めており、いわゆる「第三者審査」と「第三者意見」の機能を正しく理解したこの取組みは、同社の環境・CSR報告に対する誠実な姿勢を示すものである。

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奨励賞

埼玉日本電気株式会社
「環境アニュアルレポート2009」

環境方針の前に「当社の環境経営の基本的な考え方」が明記されているので、環境方針の重点三本柱である「環境にやさしい工場づくり」「環境にやさしい製品づくり」「環境にやさしい人づくり」に取り組む背景がよくわかる。本書に登場するキャラクターは専門用語等を平易に解説しており、またコラム「ちょっとためになるエコ知識」は読者の環境意識を高めるような情報が豊富に掲載されていることから、本書は環境学習の教材としても十分に活用できるのではないかと思われる。生物多様性という言葉は出てこないが、例えば自然と触れ合う「JAとの循環型環境活動の推進」および「ECOウォーキング」は継続した取り組みであり、「農業体験(お米づくり)」の活動も新たにスタートしているので、さらに生物多様性の観点から本業として何が出来るのか検討することが期待される。

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三洋商事株式会社
「三洋商事CSR報告書2009」

「地球に”ありがとう”を伝える企業」をキーワードに、産業廃棄物処理業者として資源のリサイクル率拡大を追求するとともに、環境経営、地域コミュニティへの貢献や障害者の就労支援などの積極的な取組と同社の社会的責任について、網羅的に掲載している。特に、アクションプラン「エコプロジェクト2015」は、CO2排出ゼロを含む5つの目標を掲げ、2015年度に向けた取組を進めている点が評価できる。また、CSR報告書の発行が2年目であるにも関わらず幅広い情報を簡潔に開示し、信頼性確保にも努めており、完成度の高い報告書となっている。

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シャープ株式会社 三重工場
 「シャープ株式会社 三重工場 環境・社会貢献活動情報誌」

サイトの環境報告書として環境情報が豊富である。特筆すべきは、従前は技術情報の漏洩防止の観点から情報公開を行っていなかった三重工場が、後から造成された工場隣接の団地住民や町民の方々をターゲットとして、「地域に信頼される工場」となるべく積極的に情報公開と環境コミュニケーションに努めている姿であろう。報告書には様々な社員が数多く登場しているが、注目に値するのは町長・区長・協力会社・小中学校の先生・大学教授及び大学生・NPO等の多彩なステークホルダーのコメントが充実していることである。その他評価すべき環境コミュニケーションとして、環境報告書を役場やスーパー等14箇所に設置し、また役場に工場への意見箱を設置している姿勢も立派である。そして特集「白い煙がモクモクと出ているが大丈夫なの?」「「毒」と書かれたトラックが出入りしているが何を運んでいるの?」等は、本報告書が住民目線で作成されていることの証左でもあり高く評価したい。

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環境配慮促進法特定事業者賞
国立大学法人三重大学
「「環境先進大学」の社会的責任(USR)を果たすために 三重大学環境報告書2009」

環境先進大学を目指すという学長の緒言を実行に移して、環境活動を推進していることがよく理解できる報告書である。ISO14001の環境マネジメントシステムを踏まえて、環境方針→環境目的・目標と活動が展開されており、環境方針が単なるスローガンとならず、方針に従った着実な取り組みがされているものと評価できる。
学内における環境活動も環境ISO学生委員会をも組織して実践されており、環境研究・教育、外部への普及も幅広くおこなわれている。地域社会の企業との環境担当者同士の交流も評価できるが、相互のピアレビュー(内部監査)への発展を期待したい。写真や図表もそれほど大きくないが効果的に使用され、具体的な活動内容が一般の読者にも容易に理解できることもよい。生物多様性のための取り組みの情報があればもっとよい。

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